結婚相手に条件を求めすぎない方がいい理由

新郎と新婦

みなさんは、結婚というのはまず「自分にぴったりした配偶者に出会うこと」から始まると思ってますでしょう。

それが間違いなんです。そうじゃないのね。「まず結婚する」んです。そこから話が始まる。

結婚してみないと、自分がどういう人間なのか、そもそも結婚に何を求めているのかなんて、わからないものです。

結婚してはじめて、自分の癖や、こだわりや、才能や、欠陥が露呈してくる。「ああ、オレって『こういう人間』だったんだ」ということがわかる。

内田樹(大学教授)

結婚するなら○○な人がいい。

わたしたちは結婚について考えるとき、可能なかぎり、最善の条件を期待する。それを満たす相手と結婚してこそ、私たちは幸せになれると考える。

ところが、頭で考えたことと、現実の結婚生活は別物である。

お金や安心を重視して相手を選んで結婚したとしても、心が「何かが違う・・・」「このままでいいのだろうか・・・」と叫びだす。

そこである人は我慢し、ある人は浮気をして家庭をぶち壊す。そして、もし仮に期待する条件が全て満たされた相手と結婚しても、うまくはいかないことを悟る。

人生なんでもそうだが、実際に経験しない限りには、本当のことは分からない。だから結婚相手にあれこれ条件をつけて可能性を狭めることは、とても損なことである。

実際、条件と違う相手でも、それを許容できるかわりの何かがあれば全然問題ない。むしろ、絶対に自分の理想に会う相手など絶対に存在しない。

だから、「結婚したい!」と思ったときは、そのとき縁があった人と、思い切って結婚するのが良い。それがタイミングというものだし、「ご縁」というものだ。

そして、結婚していろんな不満を感じることがあるだろうが、結婚したからこそ分かることが絶対ある。それが多分、結婚することの価値なのだろう。

出典

『街角のメディア論』(光文社新書、2010年)