「お前はダメだ」と否定される家庭で育つ意味

草原の中の美女

世の中には、自分に自信が持てず、何をするにも心のなかで、「自分はダメな人間だ」と萎縮してしまう人がいる。

客観的に見れば、一人の人間としてまっとうに生きているのに、なぜか本人は、自分に自信が持てない。

漠然とした不安を感じ、「自分は自分でそれでいい」と認めることができない。

その原因は何なのか?それは本人の資質、生まれ持った性格的なものはあるかもしれない。

しかし、最も大きな影響を与えているのが親。すなわち家庭環境である。

問題の影に毒親あり

近年、「毒親」という言葉が世の中で、広く知られるようになった。

「毒親」とは、子どもの健全な発展を妨げる親のことで、直接的な暴力だけでなく精神的な暴力を含め、子どもの成長に悪影響を与える親である。

いかに親の言動が子どもの心に傷をつけるか。そしてその影響が、子どもの人生を大きく狂わせてしまうか。

近年では様々な研究により、毒親の問題が広く、知られるようになった。

家庭は人格の鋳型ができる場所

三つ子の魂百まで。

生まれたときからどのような親のもとに生まれるか。そこでどのように育てられるか。

それは本人の意志とは全く関係なく先天的付与される、絶対的な重要条件である。

「本人の意志とは無関係に」というのがポイントで、それはある意味運命である。それは決して変えることができない。

だからこそ、その影響は恐ろしい。

親は本当に正しいか?

世の中では、「親のことを批判するのは良くないことである」という考え方があり、表立って親の批判をすることは難しい。

しかし現実問題、親の言動によって人生が狂ってしまう子どもがいるのもまた、否定できない事実である。

例えば、父親が有名大学の教授を勤めているある女性の話。

父親、母親、そして3人姉妹という家族構成だが、父親が典型的な学歴至上主義者。

「良い大学に入れない人間は不要である」と、小学生の頃から女性ら姉妹は、親の価値観を押し付けられ、勉強ばかりしていた。

女性らは、ありのままの自分ではなく、父親が「こうあって欲しい」と期待する娘を、ひたすら演じていた。

結末は家庭崩壊

ところが。女性の姉である長女が中学受験に失敗。それが家庭崩壊の始まりだった。

受験に失敗した長女は、父親に人生を押し付けられた恨みを晴らそうと、悪いグループと交友するように。

不純異性交遊を繰り返し、警察に補導される始末。そして中学には通わず、15歳になると家を出て妊娠出産。

今は夜の仕事をして暮らしているという。

女性自身も、自分が育った家庭のおかしさを知り、実家とは縁切り。ニューヨークで暮らしているという。

すべてのことには理由がある!

親がどんな価値観を持って、子どもを育てているか。それは文字通り、子どもの人格、人間性を決定する重大要素。

いつも親からダメ出しを受け、否定され続けた子どもが自己否定ばかりする大人になってしまうこと。

親から過保護に育てられた子どもが、自分では何もできない大人になってしまうこと。

親からからかわれいじめられて育った子どもが、人間嫌いの大人になってしまうこと。

それは、決して偶然のことではない。つまり、「本人のせい」だけにしてしまうのはどうしても無理がある。

人に人生において幼少期の環境は、絶対的拘束力。影響力を持つからである。

本当の原因を知る

自分は何をしても、「これでいい」と自分を認めることができない。現状に満足することができない。心から自分にOKを出せない。

その本当の理由はもしかしたら、自分自身にはないかもしれない。

そのことに気づくことが、本当の意味で自分を救い出す第一歩である。

一体自分は親にどんなことを言われて育ってきたのか?いつも人前で緊張してしまうのはなぜなのか?恋人の前ですらありのままの自分を出せないのはなぜなのか?

気づくことから、すべてが始まる。

It’s not your fault.

子どもの頃から大人になるまで、「お前はダメだ」とダメ出しを続けられて育ったこと。

「ありのままのあなたではダメです」と自分を否定され続けて育ったこと。

その結果、一体自分がどんな人間になってしまったのか。何を縛られているのか。人生がどうなってしまったのか。

因果関係に気づき、原因が自分の責任ではないことを知ることが大切である。

そしてここからが重要なのだが、決して自分に自信を持とうとする必要はない。無理やり、「自分は大丈夫なんだ!生きる価値がある人間なんだ!」と、ポジティブな言葉を投げかけなくてもいい。

それをすれば心が反発する。なぜなら、生まれてからずっと、否定され続けて育った枷が、まだ外れていないからである。

過去を許す必要はない

残念ながら、親との関係が完全に切れるまで、自分を否定され続けてきた心の傷が、完全に癒えることはないかもしれない。

親と顔をあわせるたび、ダメ出しをされてネガティブな気持ちを味わうかもしれない。

心理学等では、「親と和解することが大切です」「許しが一番の癒やしです」などきれいなことが語られるが、実際問題それは極めて難しい。

だからわざわざ和解する必要もないし、許す必要もない。必要な距離を取り、自分で自分を取り戻すべく、一歩一歩前へ進んでいけばいい。

自分に自信が持てない強みを知る

その第一歩として覚えておきたいことが、自分に自信が持てないことの強みを認識することである。

自分に自信を持ち生きていくことは、必ずしも良いことだけではない。

むしろ、「自分はダメだ。不安だ」という人の方が、案外人生で失敗しにくいという事実はここで強く、強調しておきたい話である。

つまり、自分に自信がないことには良い点と悪い点がある。そのどちらに意識を向けるのか。それは自分で努力して、選択することができる。

自分に自信が持てなくても、そんな自分を否定する必要はないのである。

他人を批判せず受け入れる

もう1点意識したいのが、他人を「良い」「悪い」で評価しないことを心がけることである。

親が否定的な人格を持ち、ダメ出しばかりされて育った子どもは、その批判精神を真似して、人のあらが気になるようになる。

自分がされてきたことを人にするようになる典型なのだが、それだけは意識して、やめるようにしたい。

周りの人の些細なことが気になったとき、「あの人はありえない」と批判したくなったとき。

そこでグッとこらえて、逆にその人の良いところを探してみよう。人のいいところを探せる人は、自分の良いところも探すところができる。

つまり、人を認めて良いところを探すことが結局は、自分を認めるための癒やしのプロセスになるのである。

そして、それを経験することにこそ、「お前はダメだ」と否定される家庭で育つ意味がある。

最後に

否定ばかりされ、自分を認めることができない。自信が持てない。

その苦しみは、それを経験した人にしか分からない。だから、その苦しみを癒やし、克服した人はまさに、同じような悩みを持つ人を救う、希望の星となることができる。

人生生まれてからずっと否定され続け、自分は何ひとつ自信が持てない。そんな自分でも、こうして人生を生きていける。自信がなくても生きている。

それだけでも、本当に素晴らしいことである。

今は自分を認められなくてもいい。自信が持てなくてもいい。ただ今は、自分に自信が持てずに苦しむ自分自身を、ありのまま認めてあげることが大切だ。

何があっても自分は自分でそれでいい。それが絶対の事実なのだから。

草原の中の美女
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