「経済的な理由」で実家暮らしをしなければいけないあなたに伝えたいこと

実家で悶々とする男

ネットのスラングか何かは分からないが、「子供部屋おじさん」なる言葉で、実家で暮らしている一定以上の年齢の男性をディスる言葉があるらしい。

この言葉を初めて知ったときは、とても悲しく思ったものである。なぜなら世の中には様々な事情で、一人暮らしができるにも関わらず実家で暮らすしかない人もいるからである。

にも関わらず、「○歳なのに実家暮らしの人はどうだこうだ」とディスる傾向があるのは、悲しいとしか言いようがない。

実家を離れられないなら

人にはいろんな事情がある。一人暮らししたいにも関わらず、経済的な事情によって、一人暮らしができない場合もある。私も20代の頃はそうだった。

高校卒業後は6年間に及ぶ一人暮らしを楽しんだが大学卒業後に就職で失敗したため実家に戻り、いわゆる非正規(臨時採用)の状態で社会に出ることになった。

そんなわけで当時は実家で暮らすしか選択肢がなかったのだが、当時は「自分は社会から必要とされないダメな人間ではないか?」と、もんもんとする日々を送ったものである。

だからこそ分かった。この雌伏の期間があったからこそ、自分の人生がより良い形で「再建」され、本当の意味で独立した暮らしを実現できたことを。

この経験から声を大にしていいたい。「あなたがもし現在、非正規雇用などで、お金の心配がある暮らしを送っているなら実家暮らしは何の恥でもないし、積極的に実家を利用すべし!」と。

大切なのは親に依存しないこと

どのみち、実家を出るタイミングに来たら自然とそうなるようになる。

それまでは実家に食費や生活費などできる範囲でお金を出し、掃除や洗濯などあなたができることをきちんと協力すればいい。

実際自分も、実家暮らしで文無しに近い居候状態だったときは、家の掃除や親の衣類の洗濯、ゴミ出し、仕事の送り迎えなど、自分ができる協力はした。

ようは、お金に不自由があるのであれば、実家におんぶにだっこではなく、大人として協力できることをやる。つまり大人としての筋を通せばいいだけのことである。

問題は、何から何まで、親にやってもらうような生活を送ってはいけない、という話である。それでは人としての自立心を失ってしまう。

つまるところ、実家暮らしをしてもいいが、基本的な身の回りのことは自分でやって大人として親に迷惑をかけてはいけない、という話である。

一人暮らしは自立への道

一方、経済的に余裕ができ、少しでも先行きが見えるようになってきたら。個人的には一人暮らしを経験することをおすすめしたい。

やはり、家の中に誰かがいる状態。生活が便利だとか、経済的にどうだとか、そういう話は置いておいて、人生一度は、仕事から帰ってきて家には誰もいない状態を経験しておくことに価値があるからである。

自分で家を借り、家賃を払い、食事を作り、掃除をし、生活を継続する。当たり前のことかもしれないが、この経験は自分の足で人生を立つために、とても大切な経験であることは間違いがない。

例えば想像してみてほしい。仕事でいろいろ辛いことがあって、ようやく家路に着いたとき。家には誰もいない。電気もついでおらず、そこにいるのはあなた一人である。

その寂しさ。心もとなさ。それこそがまさに、大人として生きていく成長の過程である。そして、一人暮らし中に起こる問題はすべて自分で対応しなければいけない。

そんな経験はまさにプライスレス。「経済的合理性」を超越した価値があることは、紛れもない事実である。

大人として責任を果たす

ただ、今あなたが、経済的な理由で実家を離れることができない場合、それは仕方がない話である。

誰にでもそういう時期はあるものである。だからくれぐれも、「自分はダメなんだ」など、悪く考える必要はない。そのかわり、あなたが大人としてできることは積極的にやることをおすすめしたい。

食費でも生活費でも、最低限で構わない。きちんと親にお金を払い、食器の片付け。ゴミ出し。掃除。洗濯。家事で手伝えることは、仕事をしていようと何だろうと、積極的に協力することが大切である。

成人した大人が何でもかんでも、親にやってもらうことは不健全である。それがあなたの依存心を増長させるだけでなく、人としての自立心を損ねるだろう。

だからこそ、あなたが今できることはあなた自身でやればいい。それができれば実家暮らしだろうが、他人からとやかく言われる覚えはないのである。

最後に

もし可能であるなら、実家暮らしよりは一人暮らしをする方が、長い目で見れば確実に人として成長できるし、人生が豊かになるのは疑いようがない話である。

ただし人それぞれ、いろいろな事情がある。

ときに実家暮らしをして、雌伏のときを過ごす必要がある場合もある。特に、これからの時代はますます、実家で暮らす人々が増えていくだろう。

その場合大切なのは、親に依存しないことである。実家に甘えきらないことである。それは経済的合理性とは全く関係がない「人としての生き方の問題」である。

すなわち、自分のことは自分でやる。今、経済的な理由で実家を離れることができなかったとしても。いつか自分の足で自分の生活を築き上げること。

その希望を常に持ち続けて、今大人としてあなたが協力できることをやればいい。それで十分である。遅かれ早かれ、あなたが自分の足で立ちたいと思っているなら、そのときが必ず来るのだから。

追記

この記事を初めて公開した時点から、2020年を起点に時代は大きく変わった。今後は地方移住が進むだけでなく、実家暮らしを選択する人もますます増えていくだろう。

でも思えば、一昔前の我々の先祖は、個人が一人一人バラバラに暮らすのではなく、家族で暮らすのが当たり前だった。時代は必ず循環するので、今後はもしかしたら、「実家暮らし」のイメージは大きく変わっていくかもしれない。

いずれにせよ、大切なのは個人として精神的に独立していることである。家族と暮らそうが、自分の大人としての役割は果たす。それができていれば、他人に自分の生活をとやかく言われる覚えはない。

あなたはあなたの事情を尊重して、生きていけばいいのである。

ここまで読んだあなたにおすすめ

これが「痛みなくして、成長なし」の真意