家族=幸せとは限らない!家族という環境と影響力についての考察

母と娘

父親や母親、兄弟と姉妹。

家族という血のつながった関係。濃いがゆえに複雑な人間関係。

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家族は一番頼れる存在?

家族、友人、仕事の人間関係など、私たちは人生で様々な人と関わりを持つ。

浅い関係や深い関係、いろいろあるかもしれないが、基本的に家族関係は、他のどんな人間関係よりも濃く、複雑だ。

「他人は信じられないが、血のつながった家族は信用する」という人は多いかもしれない。

ところが、この家族関係で悩んでいる人が意外に多い。

親からの過干渉、夫の暴力や妻の暴言etc・・・。一番親密で、安全であるはずの家族関係が、実は一番難しく複雑な人間関係であったりする。

あかの他人であれば、必要に応じて遠ざかることができる。

嫌な人、悪口を言う人、そういう人は物理的に距離を置いたり、接触を絶って、悪影響を受けないよう、自衛することができる。

ところが、家族はそうはいかない。

人には言わないようなきつい暴言を吐く家族、子供に過干渉する親、1つの家のなかで、そう簡単に接触を断つことはできない。

悪影響があるからとはいえ、家族の関係を断つのは、簡単ではない。

とある家族の例

ここ一人の女の子がいる。

彼女の母親は離婚し、女手ひとつで娘を育てている。女の子は成長し、中学生、高校生になる。そこで彼女に恋人ができる。

すると、母親の態度が一変。

彼女の様子をまるでストーカーのように監視し、どこにいったのか、何を食べたのか、財布や携帯のなかまで、細々とチェックする。

母親は、娘の一挙手一投足を確認せずにはいられない。

女の子は母親の過干渉に耐えられず、母親と口論をする。「なぜ私を監視するのか」と。しかし母親は何食わぬ顔でこう言う。「あなたのため」と。

恋人と関係を持ち、自分の人間関係を作ろうとする娘。その娘が自分から離れていくのを恐怖する母親。

これは歪んだ親子関係の一例だが、案外親が子供に悩むことは少なく、逆に子供が親の行動に対して不快感を抱いていることが少なくない。

親との関係が一番難しい?

悩み相談の掲示板を見ると、子供が親との関係について悩んでいる相談がたくさんある。

若い人なら10代20代、中には30代以上の既婚者の相談も。「二世帯住宅で親と暮らしているが、親の干渉が鬱陶しい」という話だ。

家族関係の悩みのテーマは普遍的で、親の子供に対する過干渉、嫁と姑の関係が主なものになっている。

その多くは、子供が親に対して不信感を抱くケースが多いように思える。その例が、親の過干渉だ。

『不幸にする親』の著者、ダン・ニューハースは、世の中には子供に悪い影響を与える8つのタイプの親がいると主張する。

1・過干渉の親

2・子供の幸せを奪う親

3・完璧主義の親

4・親への崇拝を共用するカルト型の親

5・感情が不安定な支離滅裂型の親

6・常に自分優先のナルシストタイプの親

7・暴力を振るう虐待型の親、

8・親としての責任を果たせない未成熟型の親

この8タイプだ。

どの親も、子供を窒息させ、子供の存在を否定し、自分の思い通りなる存在としての子供を位置づけているのが特徴だ。

親の側と子供の側、それぞれの立場は違い、親が良かれと思ってしたことが、実は子供にとって大きな苦痛であることが多々ある。

親という環境

子供にとって親という環境は選べないものだ。その環境が子供の人生や人格に大きな影響を与えていたとしても、何の不思議はない。

筆者が公立学校の講師として働いていたときのことです。その学校では問題を起こしている子供が何人もいた。

問題を起こす子供にはある特徴があった。それは、ほとんど親からかまってもらってない放任型と、子供に暴力を振るったり暴言を言う親に育てられた子供だった。

ある男の子の話だが、彼は何かあるとすぐに手を出す。すぐ暴力を振るうので、周りからも嫌がられてた。そして、彼自身、親から殴られて育っていた。

一見大人しく、真面目そうな子供が、見た目とは裏腹に、心の奥に深い闇を抱えているのも、めずらしくはない。

親という環境は子供に大きな影響をもたらすが、問題は、子供は親を選べないということだ。

生まれ育つ最初の環境が、不安定で苦しい場所であれば、当然成長した後も、世の中に対して否定的な感情を持ってもおかしなことではない。

子供にとって生まれて最初の人間関係である親との関係が、いびつで暴力に満ちたものであれば、

「人=自分を傷つける危険な存在」

という認識を持ったとしても、不思議ではない。

また、難しいのは親との関係だけではない。

兄弟姉妹の関係も、1つ間違えば難しく痛ましい関係になる危険がある。

・親の生前仲の良かった兄弟が、親が死んだ途端相続関係でもめて家族同士の争いに。

・兄から暴力を受けた妹が精神病にかかってしまった。

これは、筆者が身近で聞いた話。

赤の他人であれば、暴力を振るう人間は刑務所に行ってもらえばそれで済む。人との法的争いとなれば、弁護士を通じて淡々と行えば解決できる。

しかし、これが家族同士の争いとなると、話はとたんに複雑になってしまう。いや、家族だからこそ、問題が複雑になってしまうのかもしれない。

結局家族の人間関係は、ガラスのように難しく、危ういものなのかもしれない。

参考文献

スーザン・フォワード 『毒になる親 一生苦しむ子供

ダン・ニューハース『不幸にする親 人生を奪われる子供