自立していない人の特徴は、つねに人と比べてばかりいるというものです。
自分に自信がないから他人と比べるわけです。しかも比べる対象は、自分が自信のない分野。
どこかの会社、年収、肩書・・・そういった情報をやたら聞いてくる人はコンプレックスがあるのです。
そしてさらには見栄を張るという特徴もあります。
自分に自信のない人がやたらと高そうな高級ブランドを身につける傾向にあることは前に述べましたが、これもやはり自分の行動の基準が「他人からどう見られるか、思われるか」になっているのです。
それでは自分の人生を生きているとは言えない。
安井元康
どんな学校を卒業しているか。どんな仕事をしているか。どれくらい年収を稼いでいるか。平均より上なのか下なのか。
世の中には、そのようなことを異様に気にする人がいる。そして彼らは、常に自分と人を比較して、ときに落ち込み、ときに安心する。
彼らは自分の立ち位置を確認するために、常に他人を必要とする。そして、他人より自分の方が優れているように思えれば満足できるし、そうでなければ嫉妬を感じる。
なぜそのようなことになるのか、その本質を一言で言うとずばりこれ。「自信の欠如」だ。
自分に自信がある人は、他の人がどうだとか、興味がない。自分は自分。人は人。だから、他人が自分より成功していようがそうでなかろうが、それは全く関係がない話だ。
他人はどこまで行っても他人だし、他人と比べたところで、自分のことは自分で責任を取るしかない。
もちろん、他人の良いところを参考にすることはできる。
だがあくまで、自分は自分。他人とは比較できない、唯一のもの。だからそもそも比較すること自体が意味を成さないのだ。
どんなときも、自分は人生は自分だけのもの。他人と比べるくらいなら、とことん自分にこだわればいい。見栄を張る必要もないし、他人と比べて落ち込むこともない。
他人のことなど気にせず、もっと自分を大切にしよう。そして、「これが私だ、これが私の生きる道だ」と自信を持てる生き方を見つけよう。
それこそが、「自分を生きる」ということなのだから。
出典
『99.9%の人間関係はいらない』(中公新書ラクレ、2016年)