若いうちは貯金なんてしなくていい、と僕は思います。
そもそも、貯金はなんのためにするのでしょうか。いざというときのため?老後が心配だから?
いくらか貯金があれば安心なのかもしれませんが、その金額は具体的にいくらなのでしょうか。
貯金をふやす工夫を考える時間やエネルギーがあったら、将来、もっと大きく稼ぐためのチャレンジをしてもらいたい。
岡崎太郎
20代の若い頃、したいことの一切を我慢し、ただ通帳の数字が増えていくことだけを楽しみに生きていく。老後の心配に備えようと、ひたすらお金を貯金していく。
それは一つの生き方だし、貯金をすることで、もしかしたらしたら「将来なんとかなる」という安心感が得られるかもしれない。
ただその方法は一つだけ、致命的な欠点がある。それはつまり、お金はいくらあっても安心できない、ということだ。
もしあなたがかりに60歳になって、貯金が1億円あるとする。
しかし、それで安心できるかというと、絶対に安心できないだろう。そして新しい仕事を始め、その不安に備えようとするだろう。
それは70歳になっても変わらない。あなたがいくらお金を貯めていようと、絶対に安心できるときは来ないだろう。
なぜならお金は根本的に不安の解消にはならないからだ。
何より問題なのは、お金の不安を解消しようと貯金に走ることで、人生でとてつもない損をしていることに気がついていない、ということだ。
とくに、若い頃の貯金に走るのはまさにそれである。
若い頃の経験は全て将来のための投資であり、人生を豊かにするための投資だ。だから20代のうちにいろんなことにお金を使うことは、それが将来必ず、どこかで生きてくる。
本を大人買いして読書漬けになったり、旅に出て見知らぬ世界を体験したり、習い事を始めて新しい自分を発見したり、趣味にお金を全振りして「好き」を追求したり。ときにキャ○クラ通いで色恋営業の辛酸を舐めたり。
20代の感度抜群のときこそ、お金は積極的に使う。そこで身についたことが、将来必ず生きるときが来る。
だから20代の頃のお金は貯金のためではなく、使うためにあると言っても過言ではない。自己投資でもいい、女遊びでもいい。背伸びして外車に乗るのもいい。
したいことに思いっきりお金を使い、人生を楽しもう。お金の楽しさを実感しよう。貯金はガツンと稼げるようになって始めても遅くはない。
20代の若さを、ムダにしてはいけない。
出典
『夢は、無計画のほうが実現する』(梧桐書院、2009年)