あなたの周りにはこのような人がいないだろうか。
ナチュラルに他人をけなして自分をほめる、いわゆる他人下げ自分上げの人が。
この手の人種はまともに相手をしていると時間のムダなので、速攻フェードアウトするのが一番なのだが、なぜ彼らはそのような蛮行に走るのか?
その心理を知っておくことは、今後その手の人物が近づいてきたときに役に立つので、知っておいて損はない。
「他人下げ自分上げ」する人を理解するキーワード
まずはじめに、なぜ彼らはわざわざ他人を下げてまで自分を持ち上げようとするのか?
その理由は単純だ。
それは「私は劣等感があるんです・・・」という彼らの心からの告白。つまり、他人下げ自分上げの本質はこうだ。
私には価値がない。私の価値を上げるためには誰かの価値を下げなくてはいけない。だからまず誰かをディスろう。そうすれば私の価値も上がる。
これが彼らの無意識の心理だ。
だから彼らの口からは常に、「あの人はどうだ」とか、「あなたのここがダメだ」とか、人を中傷する発言がナチュラルに飛び出す。
彼らは自分の満たされない劣等感を癒やすために、常に誰かをディスる必要がある。
その本質は、「私は自分に自信がありません、劣等感で苦しんでいます。誰か私を認めてください!」という心の叫びなのだ。
そう考えれば、彼らのことが、ほんの少しだけ可愛く見えてこないだろうか?
他人下げ自分上げの人とどう付き合うか
とはいえ実際問題、この手の人物が周りにいれば良い気持ちはしない。単純に、悪口や誰かがディスられているのを聞くのは気分が良くないのも正直なところだ。
そのため、あなたがよほど寛大な人物でない限りは、やはりフェードアウトしていくのが最善の関わり方になるだろう。
他人下げ自分上げの人が誰かをディスりだしたときは決して同意しない(同意したらあなたも同類に分類されるだろう)。
あなたはあいづちを打たず、話をスルーする。もしくは、「あの人にもこんないいところがあるよね」とディスられた人の応援をする。
すると、他人下げ自分上げの人はいい気持ちがしないので、自分に賛同してくれないあなたの元から離れていく。
もし離れていかないのであれば、他人下げ自分上げの人の話を意図的に無視したり、相槌をスルーしたりして、徐々に距離を置く。
時間はかかるが、「なんとなく疎遠」状態になり、フェードアウトも上手くいく。ただその後、あなた自身が他人下げ自分上げの口撃の対象になる可能性はある。
そこは覚悟した方がいいだろう。
身近な人の場合はどうすればいいか?
問題は、妻や夫、会社の上司など、立場的に距離が近い人間が他人下げ自分上げマンだったらどうすればいいか、ということだ。
そう簡単にフェードアウトすることも難しいし、関係を切るのは容易ではない。その場合は別の対策が必要になってくる。
繰り返しになるが、彼らを理解するカギとなるのは「劣等感」だ。
他人下げ自分上げの人は、早い話、「私のことを見て、認めて!」と要求する子どものようなものだと思えばいい。
彼らは何らかの理由で、自分を認めてもらった経験、他人からほめられた経験が著しく欠けている。だから自分の価値を認めてもらいたいがゆえ、他人をディスってしまうのだ。
そこを考えると対処法が見えてくる。すなわち、ヨイショをして彼らのプライドを満たしていく方法が、彼らと付き合うカギとなる。
まずは彼らが欲しいものを与える
劣等感が強い人は、誰よりも他人からの賞賛を希望している。会社の上司やお局であれば、褒め殺しで、常に彼らのプライドをくすぐることを言っていればいい。
離れられる時期が来たら、フェードアウト作戦に転向すればいいだけの話だ。それまでは、ひたすらお世辞でも何でも言って、追従していけばいい。
ただし、適度な距離感は絶対に意識する。近づきすぎず遠すぎず、距離感はほどほどにし、彼らの「信者」を演じていればいい。
妻や夫、身近な人が他人下げ自分上げの人でも考え方は同じだ。離婚を考えないのであれば、彼らを上手くコントロールするしかない。
先にも書いた通り、彼らは他人からの賞賛を骨の髄まで欲している。そこで、彼らを褒め、賞賛を与えつつ、徐々に主導権を握っていく。
それは子どもを教育していく感覚と同じだ。まず与える。そして、彼らはますます与えられることを期待する。
そこで徐々に、他人をディスる発言が出たら与えるのをやめる。辛抱強く付き合って、改善を狙っていく。
しかし、モラハラレベルの酷い相手の場合は、教育が不可能な場合もある。
その場合は、何か理由をつけて物理的な距離を置くことを強くおすすめする。必要に応じて、専門家の力を借りることもできる。
まとめると
他人の悪口を言い、自分の価値を高める。
人の心はなんと複雑で、悲しいものだろうか。わざわざ他人を罵倒しなければ自分の価値を実感できないものなのか?
心が健全な人は、このような疑問にとらわれるが、世の中にはいろいろな人がいる。いろんな人生があって、なかには歪んだ生き方しかできない人もいるのだ。
では彼らに対してどう向き合っていくか?
もし彼らが自分の家族であり、大切な存在であったとしたら、忍耐強く関わっていくのも一つの選択肢だが、人の本質それ自体を変えることは難しい。
できるのは、自分の対応を変えることくらいだ。距離が置ける人であれば、無理に付き合う必要はないだろう。
あなたが他人の言動で気分を害する理由は一つもない。そっと人間関係をフェードアウトさせることだってできるのだ。
ただどうしても彼らと付き合う必要がある場合は、彼らの「劣等感」に着目して付き合っていくほかない。
そこを理解して付き合えば、最悪自分には害がないくらいには、対処できるはず。一つの勉強だと思い、適切に距離をとっていこう。