人生では、自分から積極的に行動を起こすことや、大きな決断をすることをしてはいけないときがある。その代表が自己評価、すなわちセルフイメージが下がっているときである。
セルフイメージが高まっているとき、気分は好調で自分を信じて積極的な行動を起こしやすいため、物事がうまくいきやすい。
一方、セルフイメージが下がっているときの目線は普段より下である。自分を低く見積もり過ぎる結果、あやまった判断、そしてあやまった行動をしてしまいがちである。これはとてもシンプルな話だが、とても大切なことである。
自分の状態を客観的に認識しておくことは、あなたの人生において間違った決断による間違った結果を起こさないための、重要な知恵である。
はじめに
私たちは普段、「自分はこのような人間です」というセルフイメージを持っている。それは、常に一定のものではなく、その時々の状況や生理的な状態によって変動している。
そのため、失敗が続いてるときや失恋したときのように感情が大きく揺さぶられているとき、疲労や病気によって体調を崩しているときは、セルフイメージは通常より下がっている状態となる。
このとき、あなたは普段と同じように物事を見ているつもりでも、そこには微妙なズレが生じ、判断を下しているつもりでも、いつもの状態とは違う判断をしてしまいがちである。
結果としてセルフイメージが下がっている時期は間違った判断を下してしまい、間違った行動をしてしまいがちである。
なぜフラれたときに新しい人と付き合ってはいけないのか?
たとえば、あなたに失恋の経験があるならイメージしやすいと思うが、あなたが好きな人に告白をして見事にフラれたときのことを思い出してみるといい。
あなたはその人が好きで告白する。しかし、相手は「ごめんなさい」とあなたを拒む。そのときあなたの感情は大きく揺れ動く。ここで「好きな人にフラれた?そんなものはノーダメージ!」という人はマレだろう。
たいていの人は、「好きな人にフラれた」という結果によって自己評価が大きく低下する。そして一時的に、(自分で自覚がなかったとしても)通常の思考、判断が難しくなる。このときが要注意である。
疫病神が近寄ってくるタイミング
「落ち込んでいるときに優しくしてくれる人と付き合ったら、その人はとても悪い人でした」
このようなパターンはよく起こることであるが、この原理もシンプルである。
普段なら気づくことに気づかない。人を見る目が著しく曇る。これはまさに、セルフイメージの低下によって判断が狂ってしまったときに起こる、典型的な出来事である。
私たちが感情的にダウンしているときはまず、普段の感情的な均衡を取り戻すまでは、イエスorノー、何らかの決断が必要なアクションを避けることが大切である。それは感情が落ち着いたとき改めてすればいい。
ここで強調したいのは、私たちが感情的に混乱しているとき、自覚するにしろ自覚しないにしろ、私たちは普段の自分とは違う状態にある、ということである。
テンションが上り過ぎているときはもちろん、何らかの出来事で気分が落ち込んでいるとき。自分に対する信頼が揺らいでいるとき。行動や決断は控えるのが吉である。
最後に
「じっとして自分から動かない」
人生は長い。人生はいつでもどこでも決断し、行動すればいいという単純な話ではない。
私たちの人生には様々な状況が訪れる。そして、私たちには感情というものがある。それは常に私たちの人生に影響力を行使する。
今自分がどのような状態にあるのか?自分のコンディションを客観的に認識することは、とても大切なことである。そしてそれは、自分を自分で追い詰めないための、大切な知恵である。
動くよりも動かない。今現在の自分の状態に応じ、そのチョイスを常に、用意しておくことが大切である。