夢っていうのは実現の仕方がわからないから夢なんですよ。その実現の仕方がわからないままでいいんです。
及川幸久
どうすればそれを実現することができるか?頭で考えてその道筋、方法が分かることは「計画」である。その一方、どうしても実現したいことがある。だがその方法がわからない。それを、夢と呼ぶ。
夢をどうすれば実現することができるのか?その方法はやがて見出されるという。「夢が叶ったイメージ」を心に抱き続けることによって。
はじめに
この世界はまだ科学では証明されていないことがたくさんある。科学で証明されていようがいまいが、起こることは起こる。例えば「心に思い描いたことがなぜか実現してしまう」という現象がそれである。
「普通に考えれば」それを実現するのは不可能に近い。だが、心のなかでその実現を思い描くことをやめることができない。一日中そのことが、頭から離れない。するとなぜか不思議な偶然が連続し、まるで何かに導かれるようにそれを実現する道が開かれる。
そんな不思議な出来事が起こるわけだが、重要なことはまずそれが「心のなかにあった」ということである。「心にあるものはやがて現実の世界にも現れる」と考えればこの不思議な仕組みを理解することができる。
「意志あるところに道がある」という言葉があるが、それはきっと現実世界で起こる「結果」は、最初に「心の中」により見出されることによって生まれるからなのだろう。
方法は、考えない
何かを実現したいとき、私たちはそれをするための具体的な方法をまず考える。
お金はいくらかかるか。何を用いてそれをするのか。どんな知識が必要なのか。そうした具体的な事柄を明らかにし、計画的かつ効率的な行動によって私たちは物事を実現できると考える。それは計画である。
だが夢は違う。どうしてもそれを実現したい。しかしその方法がわからない。普通に考えれば無理である。ではその夢は夢のままで終わってしまうのか。夢は、あきらめるしかないのか。
そこで重要なのが夢を心に思い描くことである。夢を実現する方法は考えない。私たちがするべきことは、夢が叶っている場面、叶った結果実現している現実を心のなかで具体的にイメージし、そのイメージを抱き続けることである。
朝起きたとき。昼ご飯を食べる前。帰宅するとき。夜寝る前。「夢が実現しているイメージ」を具体的に思い浮かべる習慣を持つ。そして今自分ができることに取り組みつつ、普通通りに生活する。
すると「◯◯をしてみよう」というインスピレーションが、ふと湧き上がる。動くときはこのときである。
計画とは「現状」の延長である
「計画」とはすべて頭の中の考えである。それは現状の延長線であり、そこから新しい発想や斬新な考えは生まれない。
だから今までうまくいっていないことを新しい計画で変えようとしても、それまでの発想がうまくいっていないわけだから、当然その計画も「うまくいかない」のはある意味で当然である。だからこそ重要なことは考え方を変えること。方法を変えることである。
まず結果をイメージする。突飛でも非現実的でもいい。「私は、◯◯という現実を実現しています」という結果をイメージする。それを否定しない。心に持ち続ける。
「それを叶えるには、具体的に◯◯をします」と考えるのではない。まず「結果」というイメージを心に描くこと。無理に行動しようとせず、まずイメージを心の中に定着させる。
それは非常識な方法かもしれない。だからこそ、「現状ではできないことができるようになる」道なのである。夢は実現の方法がわからなくて当然である。だからこそそれは夢であり、その夢が叶ったとき、現実は劇的に変わるのだ。
最後に
「心のなかで思い描いたことが現実化する」
潜在意識が説く法則はとても現実的とは思えない。だが心のなかで「◯◯したい」と思っていたことがなぜか叶ってしまうという出来事は、人生を10年20年のスパンで見たとき、起こっていることに気づく現実である。
私たちに何もかもが実現できる魔法のような力が備わっているかどうかはわからない。だが一つ確かなことがある。「心のなかで◯◯したいと思ったこと」は実際に、「(やがてベストタイミングで)それができる可能性がある」ということである。
そもそもの話だが、「自分が本当にできないこと」が頭に思い浮かぶことはない。それをしたいとも考えない。それを思い描けるということ。それはつまるところ「それができる可能性がある」という、何より確かな証拠なのだ。
出典
『潜在意識という「魔法」を使いこなせる人の条件』(WISDOM BOOKS)