愛や優しさだけでは必ずしも他人を守れない時もあるのです。正義なき力が無力であるのと同時に、力なき正義もまた無力なのですよ。
アバン
強いものが手に入れ、弱いものが奪われる。この世の中は弱肉強食だ。
愛や優しさはときに無力で、気持ちだけでは誰かを助けることはできない。「誰かを助けたい」と思うならその前にまず、人を助けられる力を手に入れなければならない。
力があれば、必要なとき、必要な状況で、己の正義を果たすことができる。それによって、救いたい人を救うことができる。
しかし、力がなければ、いくら愛情や気持ちを込めたところで、誰かを救うことはできない。つまり、この世で己の正義を成さんとするときは必ず、それ相応の力が求められる。
だからこそ、もし誰かのために生きたいと願うなら、自分の正義を実現しようとするならば、そのための力を手に入れる必要がある。
とはいえ、力を求めることはある意味危険なことでもある。力の魅力に取り憑かれ、力の使い所を間違ってしまえば、たちまちダークサイドの住人に堕ちてしまう。
だからこそ、力を手に入れた者は、その力を何のために使うべきなのか、決して力の使い方をあやまってはいけないのだ。
出典
『ダイの大冒険 第3巻』