人が人に対して行う評価は、あまりあてになりません。
だからもし誰かから低い評価を受けたとしても、「この人は自分のことをこんなふうに見ているのだ」という程度に受け止めればいいのです。
高い評価をもらえるように努力することは大事ですが、必要以上に落ち込んだり、気に病んだりすることはありません。
佐々木常夫
人付き合いにおいて大切なのは、人が言うことに対してあまり真剣に捉えないことである。
とくに、自分に対する第三者の評価に関しては、なおさら真剣にとらえないほうがいい。耳半分、軽く聞き流しておく程度がちょうどいい。
というのは、結局人は人。皆自分のことが一番で、人のことをじっくり評価している人は少ないからである。
はじめに
「お前はダメだ」
「お前のここは最低だ」
社会に飛び出せば、「他人から否定される」という経験をするものである。そしてその評価は正しい部分もあるが、途方もなく間違っている部分もある。
「否定」という行為は必ずしも善なる動機、すなわち「あなたに良くなってほしいです」という動機からではなく、「あなたが気に食わないです」といった否定する側の個人的感情によって、非合理に評価されていることが多いからである。
だから、他人からの評価をマジメに捉えすぎる人ほど損をするのである。
反論せず柔らかくかわす
批判の80%は基本的に反論する必要はない。
基本的には何を言われても、TPOに応じた表情を作った上で「ご指摘、ありがとうございます」と柔らかくかわす。批判に対して「正当性」を主張するのは基本的に、時間と体力を無駄に浪費する。
自分自身に過度の万能感を持つことはいかがなものだが、結局、自分と一生付き合っていくのは自分である。
適度、そして適切に自己否定して「反省」し問題があれば改善する。それができればそれでいい。自分の成長と振る舞いに対する責任は、自分自身が負うのである。
素直に指摘を受け止める
ただ、世の中には人の本質を驚くほど理解してくれる人がいる。
彼らはきっと、あなたの良いところ、悪いところを正確に指摘し、あなたがもっと輝くためのヒントに気づかせてくれる。
実際のところ、心からのダメ出しをしてくれる人ほどありがたい人はいない。彼らはあなたに嫌われるリスクを承知の上で、ほんとうにあなたのためになるダメ出しをしてくれる。素直な態度で、その指摘を受け止めることが大切である。
それはとても、ありがたいことである。
最後に
この世に存在し続けている限り、必ず誰かに、自分を否定される。それはそういうものであって、偉人賢人成功者だけでなく我々一般人も同上である。
この世にありふれた事象をなくそうと努力をしようとするより、「それはそういうもの」として、何気なくスルーできるようになる方がストレスレスである。
そもそも、何をどう評価されようと自分は自分。最終的な自己評価は自分自身が行うものである。生きている限り摩擦が生じることは仕方がないが、自分は自分で人は人。適切にスルー力を発揮していこう。
出典
『それでもなお生きる』