愛する人がいないから幸福になれない、と思い込んでいるから、あなたは不幸なのです。
どうして他人がいなければ、あなたは幸福になれませんか。他人がいなければ幸福になれないというまさにそのことが、「愛する能力に欠けている」ということなのです。
だって、自分を愛することができない人が、どうして他人を愛することができますか。愛のない人が、どうして愛することができますか。すべては順序が逆だったということに、気がつくことが始まりですね。
池田晶子
恋愛が上手くいかない。彼女彼氏がいなくて悩んでいる。自分はずっと孤独で惨めで不幸だ。
案外この問題に悩んでいる若人は多いが、今の日本では、恋愛適齢期の60%近くの男女に恋人がいない時代。もしかしたら、恋愛を楽しんでいる方が珍しいのかもしれない。
まぁ、そんなことを言っても何も始まらないわけだが、ここに一つ、面白い逆説がある。
それは、もし誰かに愛されたかったら、まっさきに自分を愛さなければならない、ということだ。
恋人に愛されず孤独に悩んでいる人というのは、実は自分のことが好きではない。自分のココがダメ、あれがダメと、心のどこかで、自分を受け入れることを拒否している。
自分のことを受け入れられない人間は、当然他者を受け入れる余裕がない。だから結果的に、孤独になってしまうのだ。
「恋人が欲しい、愛し愛されたい」と表面的には思っていても、心の奥では、自分だけでなく、他者を拒んでいる。だからいつまで経っても、他者から愛されることがない。
しかし、自分を100%、心から受け入れて、自分を愛することができる人というのは、知らず知らず、魅力的なオーラを放つようになる。それが異性を引き寄せる。
大切なのは、人を愛そうとする前に、まず自分を愛して大切にすることだ。それができれば、しかるべきとき、しかるべきタイミングで、適切な人が現れるだろう。
出典
『人生は愉快だ』