忘れたくても忘れられない人。その人が

運命の二人

僕が分かったのは、人は誰かを長い間あまりに深く愛し続けると永遠に忘れられなくなるってこと。そんな愛は生涯で一度だけだ。

ベンジャミン(映画『幸せへのキセキ』の主人公)

人生には忘れられない恋というのがある。

理由もなく激しく惹かれ、自分が自分であることを忘れてしまうくらい、無我夢中で相手を求める。何もかもが自然で、一緒になるのに何の障害もない。

そして、まるで最初から運命で決まっていたかのように、距離を近づけていく。

相手の存在そのものが、まるで自分の心に刻み込まれてしまったかのように、忘れたくても決して忘れることができない。相手の存在が、まるで影のように、つねに自分の心に去来する。

それくらい人生において強い痕跡を与える存在、もしかしたら、それを運命の人と呼ぶのかもしれない。

が、そんな人は、人生において一人だけしか現れない。むしろ多くの人は、そんな経験はめったにしないものだ。

大抵は誰かと恋をして、いろんなことを経験して、そして別れ、新しい出会いを探していく。最後には誰かと結婚して、「こんなものか」と思い暮らしていく。

もしかしたら、人生において運命の人に出会える人の方がまれなのかもしれない。

だからこそ、「その人」に出会ったときはすぐに分かる。心の声に耳を傾けていれば、決して見間違えることはない。

それは人生の僥倖だ。先のことなど考えず、ただただ、心の思うがまま、前に進んでいけばいい。きっと、人生で忘れられない、素晴らしい体験になるはずだ。

出典

『幸せへのキセキ』(2011年)