「人生で苦いレモンを手にしたら、甘いレモネードを作れ」
そんな言葉が、アメリカかヨーロッパのどこかにある。私はこの言葉が、個人的にとても好きだ。
この言葉は、「人生で起こることがどんなことであれ、それをプラスに転じる契機に変えなさい」という心構えを説いている。そして、その本質にあるのは「災い転じて福となす」という姿勢だ。
人生において、いつ何が起こるかはわからない。そして時には、その出来事の結果として、「なぜこんなことが?」という現実に直面するかもしれない。
だが、その経験にはきっと意味があると考え、「レモネードを作る努力」をすることで、私たちはようやく「レモンを手に入れた理由」に気づくのだ。
結局、「人生で起こったこと」をどのように意味づけし、そこからどう行動するかを決めるのは、自分自身の選択である。だからこそ、「レモンを手に入れたらレモネードを作れ」を実践することには、大きな意味があるのだ。
はじめに
仕事の失敗。人間関係のトラブル。失恋。お金の悩み。病気。
人生には、突如として与えられる苦い出来事がある。それによって、日々の現実は文字通り一変する。そうしたとき、私たちは「なぜこんなことが起こったのか?」と、その原因を探ろうとする。
それはもちろん、間違いではない。だが、それ以上に大切なのは、その苦い出来事を「災い転じて福となす」ことだ。
起こったことは、もう変えられない。どうしようもない。だが人生は、これからも続いていく。だからこそ大切なのだ。そこから何かを学び、気づき、それを契機として、これからの人生をより良いものへと変えていこうとする意識を持つことが。
苦い出来事。それは思いがけない「ギフト」になることもある
例えば、こんな話がある。
ここに、ある30代の男性がいた。彼は営業マンとして日々仕事に励んでいたが、数か月にわたり思うように契約を獲得できず、悩んでいた。そんな中、会社から突然、退職を勧告されてしまう。男性は最終的に、退職を選ばざるを得ない状況に追い込まれた。
仕事を失うことは、生活の危機である。それは、人生においてあまりにも苦い出来事だ。だがこの男性は、「新しい生活を始めるチャンスが与えられたのだ」と考えた。そして賃貸アパートを引き払い、故郷へ戻った。
その後、地元の小さな企業に再就職し、日々を地に足つけて過ごすようになった。やがてその仕事を通じて、高校時代の同級生の女性と再会することになる。そして今、彼は家庭を築きながら、こう語っている。
「あのリストラが、人生好転の転機だった」と。
「レモン」をどう味わうかは、自分の選択。
人生の苦い出来事が訪れたとき、最も重要なのは、自分自身の「意味付け」である。だからこそ、同じ「レモン(出来事)」を手にしても、それは人によって全く違う「レモネード(結果)」になる。
もしこの男性が、会社から退職勧告を受けたときに「自分は不要な人間だ。何をしても仕方がない」と考えたなら、その後の思いがけない人生の展開は訪れなかっただろう。
だからこそ言いたい。
「苦いレモンを手にしたら、甘いレモネードを作れ」。
起こった出来事をマイナスではなくプラスとして意味づけることは、自分自身の選択として、誰にでも可能なことだ。
起こったことにはきっと意味がある。そしてそれは、いつかどこかで、必ず役に立つ。そう考えることが、「レモネード作り」の第一歩である。
最後に
「転んでも、ただでは起きない」。
この姿勢こそが、「苦いレモンを甘いレモネードに変える」心構えの秘訣である。
人生は順風満帆が正解なのではない。むしろ開き直り、「山あり谷ありが当然である」と受け入れることだ。そして、「人生で何が起ころうとも、それはやがていいことに変わる」と信じる。考え方は考え方にすぎないかもしれないが、それが人生を創る、真の原因になりうる。
ただ一つ言えることがある。人生は続く。それは確かに苦いレモンかもしれない。だが、甘いレモネードに変えることができる。私たち自身の、心構えによって。
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