他人が自分をけなしても、それで自分の価値が下がるわけでもなく、褒めても自分の価値があがるわけでもない。
そもそも自分の価値のあるなしすら、わからないのが人間ではなかろうか、ただ自分は自分でしかないのだ。
神谷美恵子
自分はどんな人間なのか、どんな価値があるのか。真剣に考えてみればみるほど、分からなくなる。
「学歴のない自分」は価値がないのか?では「学歴のある自分」だったら自分に価値があるのか?
「お金がない自分」は価値がないのか?では「お金がある自分」だったら価値があるのか?
「恋人がいない自分」は価値がないのか?では「恋人がいる自分」は価値があるのか?
どういうときに自分に絶対に価値があると感じたか。それを真剣に考えたところで、その「根拠」はあやふやである。
人からヨイショされて、「あなたは素晴らしい」というお墨付きをもらったとしても、なぜそれが自分の価値とつながってくるのか?
自分が何も持っていなくても、未来に希望がなかったとしても、なぜそれで自分の価値がないと断言できるのか?
だから結局は自分の価値なんて考える必要がない質問だし、考えたところで答えは出ない。どんなときも自分は自分でしかない。それ以上でも、それ以下でもない。
自分に価値があるかどうか?そんなことはそもそもがどうでもいい話である。なぜなら自分は自分。その一点に、その人生を生きる理由がある。他人と比べる意味も、必要性も、ないのである。
出典
『人生は生きがいを探す旅 神谷美恵子の言葉』