人間はべつに誰からたのまれなくても、いわば自分の好きで、いろいろ目標を立てるが、ほんとうをいうと、その目標が到達されるかどうかは真の問題ではないのではないか。
ただそういう生の構造の中で歩いていることそのことが必要なのではないだろうか。
神谷美恵子
人が人として成長し、人生で成功していく。そのために目標は必要かもしれない。
目標を立て、継続して努力して、目標が達成されるように前へ進んでいく。そして上手く目標が達成されれば、それは素晴らしいことかもしれない。
しかし、目標を達成するか達成しないかそのことよりもっと大切なのは、目標を達成するまでの過程である。
目標を立てて行動しいく。そのなかで目標を達成しようと努力し、変化していく。そこに価値があるではないか。
目標は必ずしも達成されるとは限らない。
しかし、目標を立てて行動を起こせば、今まで知らなかった何かを学び、吸収していく。そして必ず自分が変化していく。それを見逃してはいけない。
目標が達成されればそれそれで素晴らしいが、そこだけに価値を置くのはもったいない。目標に挑む過程で、得られるものがたくさんある。
そのことに気づき、大切にすれば、生きることはもっと豊かになる。そして、生きていくことに、もっと満足できるようになるだろう。
出典
『人生は生きがいを探す旅 神谷美恵子の言葉』