戦の勝ち負けは、時の運によるものなので、戦って敗北することは恥辱ではない。ただ戦うべきところで戦わず、死ぬべきところで死なぬことは、弓矢の家の瑕瑾(かきん)というべきです。
土屋昌恒
人生には、絶対に戦うべきときがある。それは、あなたがあなたの人生において本当に大切なものを守るための戦いである。
本来、物事の最上は戦わずして勝つこと。普段からやたらと好戦的になってはいけない。それは愚策である。
また、わざわざ戦う必要がないとき、戦う価値がない何かのために戦うのもいけない。アホらしい戦いからは、一刻も早くガン逃げするべきである。
この意味で、避けられる戦いならば、どんどん避けた方が良い。
しかし、譲れないものを守りたい。自分の誇りを守りたい。そんな、自分にとって本当に大切な何かを守るための戦いなら、絶対に逃げてはいけない。
覚悟を決めて全力を尽くす。何があっても逃げてはいけない。
もしそこで逃げ出してしまったら、あなたは一生後悔する。そして、あなたは自分自身を絶対に許せなくなるだろう。
だからこそ、もしあなたが「ここは絶対に引けない!」というときがやって来たのならば、それこそが、あなたにとって、絶対に戦うべきときである。
勝ち負けは関係ない。誇りを守るため、大切なものを守るため、全力で戦おう。
出典
『武田氏滅亡』