
「こんなはずではなかった・・・」
人生は常に思い通りにはならない。いやむしろ、思い通りにならないことのほうが多いかもしれない。
予想外のトラブルや障害、困難。報われない努力。失敗と後悔。こうした出来事とどう向き合うかが、ある意味で「人生のテーマ」とも言える。
そこでこの記事では、人生で訪れる「こんなはずではなかった・・・」とよりよく向き合うための考え方をご紹介する。それが、「認めてみる」という考え方である。
起こったことは起こったこと。現実は現実。抵抗することもできるが、それは、私たちのエネルギーを奪うだけだ。だからこそ、逆に「認める」ことによって、その出来事をプラスに変えていけばいいのだ。
はじめに
失業。事業の失敗。大切な人との破局。病気。
「そうなってほしくはなかった」けれど、その現実が今、目の前にある。このとき、もちろん、「これは私の人生ではない」と現実逃避することはできる。
だが、それを認めることは、決して敗北ではない。
いくら否定したところで、それは目の前に存在し続ける。であるならば、「それがそこにあるのは、私にとってきっと意味があるはずだ」と考え、ひとまず認めてみる。それは態度であり、現実と直面する強さである。
現実を受け入れるからこそ、自分が今いる場所を、冷静に認めることができる。それによって私たちは、心を新たに変えることができる。変えることができない過去から、今から変えることができる未来へ。
そう、受け入れることは、敗北ではない。それは自覚的かつ選択的な、力強い心の技術なのだ。
「変えられないこと」と「変えられること」を区別する力
たとえ人生が、「これは、私の人生ではない」「なぜ、こんなことが起こるのか・・・」という壁が人生に立ちはだかったとしても、その現実を「認めてみる」。
それによって何が起こるか?受け入れることによって、現実に抗う心の摩擦が収まり、不安や怒りが次第に収まっていく。
そして、「変えられないこと」と、「これから変えることができること」を区別することができる。つまり、起こったことを受け入れたその瞬間、新たなスタートラインが生まれるのだ。
だからこそ、「受け入れる」という選択は、自覚的かつ、選択的なのだ。それは決して敗北でもなんでもない。人生の新たな一幕の始まりなのだ。
「認めてみる」を成功させる3つの心構え
現実は現実。起こったことは起こったこと。そう「認める」ために大切なことがある。
それは、そのとき湧き上がってくる自分の感情を否定しないことだ。そして、事実と解釈を一緒にしないことだ。その上で、小さな一歩を、新たなスタートラインより、踏み出せばいい。
大切なポイントなので、具体的に説明する。
湧き上がる感情を否定しない
あなたの人生で、ネガティブなことが起こる。そのとき、あなたはきっと「辛い」「どうして」「悲しい」といった感情を感じるかもしれない。
そのとき大切なのは、こうした感情を「そう感じてはだめだ」「ポジティブにならないといけない」などと、否定しないことだ。
「私は、そう感じている」と認めていい。これは、感情を自己否定につなげないために、とても大切なことだ。
事実と解釈を一緒にしない
失敗や挫折を経験したとき、私たちがとかくしがちなことがある。それは、事実と解釈を一緒にしてしまうことである。
例えば、あなたが仕事で失敗してしまう。そのとき、あなたが「仕事で失敗をした」という事実に対して、「自分がダメだから失敗した」と、あなたの解釈を一緒にしてしまう傾向はないだろうか?
また、パートナーシップに問題が起こったとき、「自分に魅力がないからパートナーとの関係がうまくいかない」など、事実にあなたの解釈を加えてはいないだろうか?
こうしたことが、事実と解釈を一緒にしてしまうということであり、それが現実を歪ませてしまう。大切なのは事実は事実として受け入れること。そこに、解釈を加える必要はない。
起こったことを、起こったこととして、認めるだけで十分なのだ。
受け入れた場所から、「小さな一歩」を踏み出せばいい
自分の感情を認め、事実は事実として、自分の解釈を挟まずに受け入れる。その地点が、スタートラインだ。
そこから大きな一歩を踏み出す必要はない。まずは、「今自分にできること」から始めればいい。今すぐ逆転するために、大きな一歩は踏み出さなくていい。
これが、人生で起こったことを認め、人生の新たな転機にするためのポイントなのである。
最後に
「開き直った人」は、強い。
起こったことを認め、ありのまま受け入れている。だからこそ、そこに恐れや不安、怒り、後悔はなく、あるのは未来への眼差しである。
そう、受け入れることは、私たちを弱くはしない。むしろ、過去にけじめをつけ、前を向くための、積極的な行動なのである。それは私たちの意識を今に集中させ、そして新しい未来を築くための、強い心を育む。
人生は思い通りにならない。現実は理想とは違う。それはそうかもしれない。だがそれがどうした?
私たちの現実が、「これじゃない」現実だとしても。それは今、そこにある。なら、そこから始めればいい。再び、新しい物語を、始めればいい。
そのために必要なのは、今そこにあるものを、「とりあえず」でいい。「認めてみる」ことだ。それこそが、新たな始まりを自ら選ぶための行動なのだ。
さらに気づきを深めたい方へ


