人生はときに、面白いくらい何もかもがうまくいかないときがある。
やることなすこと失敗続き。状況を良くしようとして努力しようとしても、なぜか全てが逆効果。
例えば仕事。あなたが仕事でミスをする。その一つのミスをきっかけにして失敗が連鎖。ドツボにハマってどんどん結果を出せなくなってしまう。
そんなときあなたは新しい工夫をして今までの失敗を挽回しよう努力する。ところが、やることなすこと全て裏目に出て、状況が良くなるどころか、ますます悪くなっていく。
実際にこういうことはよくある。すなわち、ダメなときは何をどう頑張ってもダメ。動けば動くほど、ますます泥沼にはまっていく。本当に不思議な話である。
絶望に心折れないために
自分自身の努力で状況が改善できればそれは素晴らしい話である。そして、自分の行動によって実際に状況が改善できる場合、まだ何一つ絶望する必要はない。
問題なのは、自分が頑張り、状況を改善するためのありとあらゆる努力をしているにも関わらず、やることなすこと全てが裏目に出てしまうときである。
目の前の状況は日に日に悪化していく。それに対して何か手を打たなければならない。ところが、打つ手打つ手が全て失敗する。期待とは全く逆の結果にしかならない。
そうなってくると目の前にあるのは絶望しかない。ここで、絶望に心が飲まれてしまえば、文字通り、全てが終わる。
そこで知っておきたい大切なことは、やることなすこと全てが裏目に出てしまい何をどう頑張っても目の前の状況が良くならないときは一体どうすればいいのか、ということである。
「V字回復」するために知っておきたいこと
人生にピンチはつきものだ。そして、ピンチを乗り越えた者だけが更なる成長を遂げて、人生をさらに飛躍させることができる。
そのためには、何もかもがうまくいかないとき。やること成すこと裏目に出てしまうとき。これらの状況をどうやって乗り越えていけばいいのか、その対処法及び心構えを知っておくことである。
こうすることで、右肩下がりの辛い状況でも、心に希望を灯しながら、辛い状況を乗り越えていくことができる。
それは容易なことではないが、最悪の状況を乗り越えるために、絶対に必要なことである。この意味で、知っているか知っていないか。この差は果てしなく大きいと言わざるを得ない。
以上前置きが長くなったが、では具体的にやること成すこと裏目に出る時期をどうやって乗り越えていけばいいのか。その対処法を私の個人的経験からご紹介したい。
頑張れば頑張るほど状況が悪化する地獄
私の仕事は100%実力主義の仕事である。
そのため「自分は努力しました」とかそんな言い訳は一切通じない、ある意味とても残酷な世界である。結果が出たか出なかったか。それだけで全てが決まる世界である。
例えばあなたが歩合制の仕事を経験したことがある場合はご存知かと思うが、ある月はガンガン結果が出て、あるときは全然結果が出せない。そういう「収入の波」は必ずある。
思うように結果が出ないとき、「次はこうしたらどうだろう?」と様々な工夫をこらすものだが、ある時期、いくら工夫をこらしても、全然上手くいかない時期は現実としてある。
私の経験上「波が来ていないとき」に売上の低下を挽回しようとすればするほど、どんどん状況が悪くなっていった。収入が下がっていくのを前に、将来への不安が雪崩のように襲ってきた。
人生にはその時々の身の処し方がある
目の前の売上が伸びない。しかしその現実をただ静観するわけにはいかない。
そこで手を打つわけだが、そんなやることなすこと全てがうまくいかない時期が3ヶ月ほど続いたある日のこと。
「今は何をしてもうまくいかない。それならどうせ何を努力しても無駄だ。何か新しいことをする必要はない」と考え方を変えて、状況を変えようと積極的に努力することを一切やめることにした。
その上で、現状維持に徹し、日常のルーティンのみに集中していくことにした。つまり、あがくのをやめて、ただ状況が変わるのを待つことにした。
すると少しづつだが流れが変わってきた。「これからよくなる!」という希望が持てるようになった。そして目に見える状況が変わりだした。これは体感的にすぐに分かった。
流れが変わればもう不安なことは何もない。ドツボの苦境から脱することができた。
この経験から確信したが、人生でうまくいかない時期というのは、何をしてもうまくいかない。現実の話として、一時的には失望を味わうことは避けられないだろう。
しかし、うまくいかない時期から逃れようとむやみにあがいてしまうと、ますます状況は悪化する。良くなることは決してない。
なぜならそれは「恐れ」から始まる行動だからである。ネガティブな感情から始まる行動はうまくいかないのがお約束である。
であるなら、その対処法は一つである。つまり、じっとして流れが変わるのを待つ。それこそが正解である。
「今は動くな」の決定的サイン
やることなすこと全てが裏目に出る時期。
このときはきっと、まるで長いトンネルに入ってしまったかのように、先が見えず、常に不安が頭を過る。そして、「これで大丈夫!」という安心感を持つことができない。
これこそがまさにドツボにはまっている状況にいるサインであり、それは「今はあがくな!」という、自分への決定的メッセージである。
そのメッセージを見逃してはいけない。決して無理はしてはいけない。リスクのある挑戦も厳禁である。
このときすべきことなのは、状況を変えようとあがくことではない。むしろ、何も目立った行動はせず、今までのことを見つめ直すときである。
今まで自分がしてきたことを見つめ直し、そこに何か課題はなかったか。そこを熟考し、気づきを得る。多分、そこに意味があるのだ。
なぜうまくいかない時期が強制的にやってくるのか?
やることなすことが失敗して、先行きが不安なときは、必然的に人は今までのことを素直に反省することができる。
それによって必要以上に高くなってしまったエゴを、「自分はこんなものだ」と自然な状態に戻すことができる。
上がっては下がる。下がっては上がるが人生の鉄則だが、こうして下がるからこそ、上がるための学びを得ることができる。
だから、人生何もかもうまくいかなくなったときは、今すぐ頑張ることをやめることである。ただ今、自分ができる最低限のことさえできれば、それで十分である。
もちろんそれによって、一時的に収入が下がるかもしれない。周囲からの評価が下がるかもしれない。誰かとの別れがやって来るかもしれない。
それだけはどうしようもない。しかし、失うものがあれば必ず得られるものがある。ただ今、じっと時期を待とう。
一度降りていけばいい
それとこれは一つ提案だが、あなたがドツボの時期を乗り越え、また上昇気流をつかむためにぜひともおすすめしたいことがある。
それは、一時的な敗北。挫折をそのまま受け入れることである。
何をやってもどうしようもならないとき。ますます状況が悪くなっていくとき。「自分はここから復活する!」とあなたの現実の感情を無視して無理やりポジティブになるのは長い目で見ればよろしくない。
むしろ、本当におすすめしたいのは、「なるほど、今の自分は最悪の状況だ。ではもし、これから最悪の底を迎えるとしたらそれはどんな状況だろう?」と腹を据えて最悪を想定するのである。
あなたに朗報としてお伝えしたいのは、人生で考える本当の最悪は実際に起こることはそうそうないという事実である。
そして、万が一何もかもがダメになってしまったとしても、それはそうなった方が結果的に良かったのである。
なぜなら良くなる前には必ず悪くなる。破壊の次は再生が待っているのが人生の真理だからである。だから怖がる必要はない。それは人生の新しい夜明けである。
最後に
何もかもうまくいかないときに大切なのは、むやみに動いて傷を広げないことである。
もしあなたが行動を起こしてそれで問題が解決しているようであれば、まだそれほど悪い状況ではない。
しかし、やることなすこと裏目に出てしまうような時期は、「今は動いてはいけない!」というサインにほかならない。このとき恐れに突き動かされて動いてしまうと、状況は逆にどんどん悪化する。
だから動く必要はない。腹を決め、今起こっていることを否定せずに、まっすぐ直視するのである。
どんな状況もいつかは必ず変わる。できることは、それを信じて、じっとしていることである。無理をせず、現状維持を心がけることである。それだけで十分だ。動くのは流れが変わったときでいい。
それはあなたの直感が教えてくれる。自然と気持ちが明るくなり、「うまくいきそうだ」という予感がビンビンする。動くのはそのときだ。
起こる可能性がある最悪を想定し、じっと耐えよう。耐えていれば必ず何かが変わるタイミングがやって来る。今はただ、目の前で起こっていることを、冷静に見るのである。