命は自分のものではない。子宮から墓まで、人は他者とつながっている。過去も現在も、すべての罪、そしてあらゆる善意が未来を創る。
ソンミ451
男女が出会い家族を作り、子どもを産み育てる。その営みによって、人類は延々と繁栄してきた。
今自分がここにいるということ、それはすなわち、数多の人たちの命が続いてきた結果に他らない。
自分が今この世界に存在するために、どれほどの祖先がいて、どれほどの歴史を経てきたのか。それを思えば、今生きているということ。それは本当に、奇跡的なことである。
この世界で誰かと誰かがつながるのは
そのことを考えると、結局のところ、生きていくということは誰かとつながっていくことと言って間違いがない。
自分だけの人生であったのが、誰かと出会うことによって、自分だけの人生ではなくなっていく。新しい命が育まれ、新しい歴史が紡がれる。
そうして、これから先もずっと、自分の命は誰かの命とつながっていき、未来を紡ぐ。ずっとずっと、歴史の中で、どこかで誰かとつながっていく。
つまりあなたがここにいること。それは、過去の誰かとつながってきた証拠であり、未来であなたと誰かがつながっていく可能性である。
人は絶対、独りではない
そう考えると、この世で生きるということは、本当に不思議である。
人が一人で生きていけないということ。それはもちろんであるけれど、人と人がつながることによって、世の中で新しい絆が生まれていく。
こうしてまた一つ一つ、新しい未来が誕生し、この世界で何らかの意味を作りだす。
だから人は独りではないし、生きていくことには常に、意味と可能性がある。そう考えれば自分の人生がどうであれ、決して無価値ではないことに気づく。
そう、生きていくことは必ず、誰かと誰かのつながりを作るのだから。
出典
『クラウド アトラス』