自己批判を手放して「自己肯定感」を育むシンプルな方法

自分を励ます女性

自分を大切にすること。それは大切なことでありながら、案外難しい。

自分を大切にするとは、いわば自己肯定感を高めることである。自己肯定感を高めるとは、(極めて自然な状態で)「自分にOKを出せる状態」を指す。

良い面も悪い面も、それでよい。成功していても失敗していても、自分には自分として意味がある。ありのままの自分にOKを出し、その自分と歩んでいくこと。

このシンプルだが重要な試みこそが、自分を大切にするということであり、自己肯定感を高めるための効果的なアクションである。

そこでこの記事では、「自分自身に過度に批判的になってしまい、自己肯定感を高められない」という悩みを抱えている方に向けて、具体的なアイディアを一つ、シェアしたい。

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はじめに

自分を大切にすることは、いわば「自分に優しくする」と言い換えることができる。そして、自分に優しくすることは、過剰な自己批判を抑え、自分自身の感情を大切にすることである。

私たちは、自分を自分として認識し、その自分とうまく付き合っていくことで、「私はOK、そしてあなたもOK」という人生態度を獲得することができる。

だが、「私はOKでない」と感じる場合、自分を認められないために、他者との関係が自然でなくなり、上下的・従属的な関係になってしまったり、挑戦すべきことへの恐れが生まれたりと、行動面にその影響が現れやすい。

そこで、私たちが自分自身を大切にするための第一歩として重要なのは、過剰または不適切な自己批判をやめることである。それができれば、自己肯定感に大きな影響を与える自分自身の感情を、自然に尊重することが容易になる。

自己肯定感を下げる原因。それが「不適切」「過剰」な自己批判

世の中には、客観的に見ればどう考えても事実とは異なるにもかかわらず、「私は自分を認めることができません」と感じている人がいる。

あくまで客観的な事実として、他の人よりも優れた能力を持っているにもかかわらず、本人は「自分なんて、まだまだです」と本気で思い込んでいる。そして、本来それを得る資格があるにもかかわらず、自らそれを手に入れようとはしない。

ちなみに、客観的な根拠がないにもかかわらず、自分自身を過大に評価する人々もいる。すべての物事を自分ファーストに考え、自己への感度は著しく高い一方で、他者への感度は著しく低い。精神科医はこうした人々を、自己愛性人格障害と診断することがある。

彼ら・彼女らに共通している特徴は、「自分に批判的すぎる」という点である。確かに、自己批判は成長のために、また物事を客観的に認識するために重要なことである。だが、自己肯定感が低い人は、自己批判を「しすぎる」。

自分に厳しいことは確かにストイックで美しい。しかし、それによって「だから私は・・・」となってしまっては、本末転倒である。

完璧主義は、人生の一部の場面では美しいかもしれない。だが、果たして私たちは本当に、すべてにおいて完璧である必要があるのだろうか。

一部分においては完璧を目指すのは良い。しかし、すべてにおいて完璧を目指しても、結局はそれが叶わないこともある。それで、いいのではないだろうか。

「自分に優しくする」ための大切なステップ

いくら能力が突出した個人がいたとしても、結局、一人は一人である。そして、集合知には到底及ばない。

だからこそ私たちに大切なのは、個々人として「超人」を目指すことではなく、良い自分も悪い自分もそのままで受け入れ、その自分を周囲と適応させていくことである。

そのためには、自分への不適切な、あるいは過剰な批判は「とりあえずスルー」することが大切である。自分の気になることが頭に浮かんだら、その考えをそのままにしておく。それに加えて、日々自分が感じる様々な感情を意識して感じ取る。

嬉しいときは嬉しくていいし、落ち込んだ時は落ち込んでしまう自分にOKを出す。こうした自己感情の受容、すなわち「自分が感じたことを認める」ということは、自分に優しくするための大切なアクションである。

自分に対して批判的な習慣を持っている人は、こうした感情ですら無意識に「自己検閲」し、その感情が意識に浮かばないようにする。だからこそ、「気づく」そして「認める」というプロセスは、とても大切なのである。

「自分を認める」習慣が生むポジティブな変化

とかく忘れがちだが、大切な真理がある。それは、「私たちは自分が持っていないものを、他人に与えることはできない」という真理である。

たとえば、私たちが自分に対する優しさを欠いているのであれば、他人に優しさを分け与えることはできない。だからこそ、自分に優しくできない人は、他人にも優しくできないのは自然なことだ。

「自分さえ良ければいい」という考え方は、最終的には周囲だけでなく自分自身にとっても悲劇的な未来に繋がるが、自分を軽んじる考え方もまた良くない。この意味で、である。自分に対して優しくなり、自分を尊重することはとても重要なことである。

自分を大切にする習慣を始めることで、徐々に自己肯定感も高まる。自分を認めることができる人は、他人も認めることができる。「すべての基本は自分から始まる」という事実を踏まえた上で、少しずつ現状を変えていくことを目指せば良い。

難しく考える必要はない。もし今、あなたが自分に優しくないと感じているのであれば、「良い面もある。悪い面もある。そんな私でもそれでOKです」と自分を認める習慣を始めてみることから始めよう。

このとき、自己批判が浮かんでも、「とりあえずスルーする」ことだけを意識する。そして、どのような感情を感じたときも、それを感じたことに気づき、OKを出す。

それがネガティブな感情であっても構わない。それを感じ、そこにあることを認めることこそが実は「自己承認」の一環なのである。

最後に

この記事では、さまざまな理由により、自分自身に過度に批判的になってしまい、自己肯定感を高められない悩みを抱える方に向けて、一つのアイディアをご紹介した。

自分を変えること、それは自分を大切にし、自然な自己肯定感を育むことにほかならない。そのための方法は確かにたくさんあるが、根本となるのはやはり、自分自身との付き合い方を変えることである。

その第一歩として、「不適切で」「過剰な」「自己批判的な思考」を変えていくことが非常に重要である。なぜなら、心が変われば行動が変わり、行動が変われば人生も結果として変わるからである。

自分に対する自信がなくてもかまわない。しかし、どんな自分もそれでOKであるという自己受容の姿勢を持つことが大切である。まずは小さな一歩で構わない。その小さな一歩を意識することこそが重要なのである。