成功している会社というと、つい売上や利益に目が向いてしまいます。
しかし、自分たちの分を知り、ほんとうに価値あるものを生み出すことに徹した事業者こそが、真の意味での成功者ではないかと思います。
鍵山秀三郎
お金、家、車、モテ度。
世の中では、分かりやすい成功の証拠がたくさんある。良い会社に入って出世したり、お金持ちになることは簡単なことではない。
この意味で、お金はある程度、成功を測るバロメーターになるのは間違いない。
とはいえ、お金だけを成功の基準として測るのも危険である。というのは、経済的に成功していても、人間として下の下の人もいるからだ。
たとえば、周りの人を苦しめ、お客を騙し不正にお金持ちになったとしよう。利権をせしめ、倫理的に間違っている手段で多くの人をあざむきお金持ちになったとしよう。
はたして、それが本当の成功と言えるのか。夜ぐっすり眠れるのか。人として正しい在り方なのか。真剣に問い正す価値はある。
自身の行動に何のやましさもなく、誠心誠意、全力で生きることができれば、人生でうまくいこうがいこまいが、お金持ちになろうが貧乏になろうが、最終的には関係ない。
つまり人として正しいこと。その当たり前のことが、実は今の世の中成功をつかむ上で、とても大切なことではないだろうか。
自分さえよければいい。自分さえ得をすればいい。
そんな人が増えている今だからこそ、人としてどうあるべきなのか。それを真剣に考え、実践していく。そうすれば、人生最期のときも、人として何恥じることなく人生に満足できる。
それこそがきっと、人生最大の成功なのだと思う。
出典
『すぐに結果を求めない生き方』