人間の偉大さは、人間が自分の惨めなことを知っている点で偉大である。
樹木は自分の惨めなことを知らない。だから、自分の惨めなことを知るのは惨めであることであるが、人間が惨めであることを知るのは、偉大であることなのである。
パスカル
自分が何者であるかを知っているのは自分だけである。
表の顔裏の顔、自分にはいろんな顔があるけれど、それの本質的に部分において、本当の自分を知っているのは、他の誰でもない、自分自身である。
自分はこれができて、あれができない。自分は臆病で、不満で、寂しい。
自分のことを知っていることは、自分について考えているということである。それに気がつけるのは自分を置いて他にはいない。
だから自分を本当の意味で理解してくれる人は自分以外の一人も誰もいない。この意味で人は誰といても、どんなときも本質的に孤独な存在である。
人に自分を理解してもらいたいのは山々だが、誰かにそれを期待するのは酷なことだ。なぜなら他ならぬ自分自身も、誰かのことを完全に理解することはできないからである。
結局、自分のことを正確に理解できるのは自分だけである。
そしてそれは、自分が自分自身対して最大限責任を追っていることを意味している。だから私たちはまず何よりも自分1st。
自分を知ることが大切なのだ。
出典
『パンセ』