勝負の運は、一定の周期で巡ってくる。勝てる時は何をやっても上手くいく。その機を逃してはいけない。負ける時は、神様はあなたを冷たいくらい見放す。そんな時は勝負から降りる。
里中李生
たいして努力していないのに、自分の予想以上の結果が出るときがある。逆に、たくさんの労力を費やしたにも関わらず、全く成果にならないことがある。この違いは何か?
実力も確かに答えの1つだろう。しかし、実力以上にモノを言うのが、運だ。それは歴史を見れば明白だ。
時の運を掴んだものは勝者となり、運を掴みそこねたものは敗者になる。そして、勝者になったものも、運に見放されたとき、敗者となる。
時代の流れに乗り、大成功をおさめた人が、時代が変わったとたん、失敗続きに陥り、挙げ句の果て詐欺事件を起こす・・・。成功者から犯罪者へ。このような例は至る所にある。
勝てる戦い 負ける戦い
努力や行動、目標達成のためにできる事はやるべきだが、同時に自分に運があるか、調子がいいかどうか、十分気を配ることが重要だ。
運が悪い時に勝負をしても、たいていは失望するハメになる。運のよいときこそ、調子がいいときこそ、ガンガン前に進むときなのだ。
何度やっても思うようにいかないとき、失敗が続く時、ムキになって仕掛けてはいけない。こういうときは待つ時だ。
調子の悪い時期を肌で実感できたなら、調子がいい時期、運に恵まれているときが分かるようになるだろう。本当の勝負はそこから始まる。
負けたときは今すぐ撤退
勝てない戦いから素直に降りる。「もう自分はムリそうだ」と思ったときは絶対にムリをしない。この冷静な状況判断力こそがまさに、運を開くチャンスを与えてくれる。
そこに根性論は不要。努力すれば状況が変わるとか、今後の希望は関係ない。
今負けている現実。失敗してうまくいっていない現実。負けが続いている現実を受け止めた上で、負け戦から早急に撤退する。それも傷が浅いうちに。この潔さが大切である。
人生で勝てないことは問題ではない。負けたことしても、傷が浅いうちに撤退していれば、また再起することができる。再勝負を挑むことができる。
しかし、ズルズル負け戦を続けていれば、そのチャンスさえ失われてしまう。だからこそ、あきらめが肝心。負け戦など、続ける価値はないのである。
最後に
運がいい人とは、言わば引き際が素晴らしい人である。
「これはムリである」と判断した瞬間。そこに自分のこだわりもプライドもなく、負けを認めて撤退する。それも傷が浅い内に引き上げる。
だから、次に再戦のチャンスが与えられたとき。文字通り、リベンジマッチが可能になる。
人生、何でもかんでも勝ち続けられると考えるのは非現実的である。勝つときは勝つし、負けるときは負ける。だからこそ、引き際が肝心だ。
それは勝利へ進むための、後退なのだから。
出典
『「いい人」は成功者になれない!』