「今すぐ」
私たちはつい、すべてを今すぐ変えたいと思ってしまう。
「結果を今すぐ出したい」
「行動を今すぐ成果につなげたい」
「人生を今すぐ劇的に変えたい」
しかし、この考え方は、長い目で見れば人生の本当の幸せを逃す原因になりうる。
たとえ自己啓発を始めたり、生活改善のために食生活を変えたりしても、成果はすぐに目に見えない。時には、取り組むことでかえって不調に感じたり、「この行動、本当に意味あるの？」と思うこともあるだろう。
しかし、それは自然なこと。大切なことほど成果には時間がかかる。だからこそ必要なのは我慢であり、時を待つ「忍耐」である。時間がかかっても、やがてそれは花開く。
はじめに
「プラトー現象」という心理学の用語がある。これは、努力や行動を続けているにもかかわらず、現実には成果が見えず、停滞してしまう現象を指す。
たとえば、日本の歴史を勉強したいと思い立ち、参考書を買い、毎日1時間勉強を始めたとしよう。最初のうちは用語が覚えられず、歴史の流れもつかめず、勉強前と後の違いがほとんどわからない。
すると多くの人は「時間の無駄だ」「効果がない」と感じるだろう。しかし、それは自然なプロセスだ。
効果が見えなくても勉強を続けていれば、ある瞬間に知識が自分のものになり、「わかる」という感覚が訪れる。目に見える変化がなくても、行動は確実に何かを変えているのだ。
行動の「継続」が未来を変える
この「プラトー現象」は、人生のさまざまな場面で起きる。
前向きに行動しても、すぐに人生が劇的に変わることは少ない。結果は時間差で訪れる。多くの人が気づかないまま、成果が見えないことに焦り、行動をやめてしまう。
しかし、何も変わっていないように見えても、淡々と決めたことを続ければ、やがて成果が現れる。
ここで覚えておきたいことはシンプルだ。
「変化はすぐに起きない。だが、行動すれば何かは変わる。それは時間差で現れる。」
だからこそ大切なのは、目に見える結果がなくても、決めたことを淡々と続けること。
それは水面下で、確実に変化を起こしている。
時間をかける価値
すぐに結果が出るものは、同じようにすぐ消える。それは「瞬時にブームになったものは、すぐにブームが過ぎ去る」という法則がある通りだ。
逆に、時間をかけてゆっくり育てたものは、その価値が長く続く。だからこそ、「今すぐ」人生を劇的に変えようと焦る必要はない。
必要な時間をかけ、無理なく変えていくことこそが、持続的な成果につながる。私たちにできることは、日々の目標ややりたいことに向けて、今ここで無理のない行動を続けることだ。
体の細胞が数か月周期で入れ替わるように、現実が本当に変わるには時間が必要だ。「今すぐ」ではなく、「必要な時間がかかる」と受け入れる。「短気は損気」だ。
最後に
人生において「想い」は重要だが、それより現実に現れるのは「自分がしてきたこと」である。
それは確実に、現実世界に変化を生む。しかし、そのタイミングや形は予測できない。1年後かもしれないし、5年後かもしれない。それでも必ず、どこかで変化として現れる。
だから今日も、小さな行動を積み重ねていく。それは畑に種をまくようなもの。「今すぐ」花が咲くわけではないが、適切な時期に、必ず芽を出し、花を咲かせてくれるのだから。
人生は山あり谷あり。道を焦らないための、ヒントをお届けします
