成功法則を信じて成功できないたった一つの理由

我を成功させたまえ

皮肉なことに、いわゆる成功法則は、成功法則を商売にして成功した人によって語られる。

実体験がないから、過去に数千回、数万回は語られた陳腐な内容の焼き直しとなる。

やせるためのダイエット本が、手を変え品を変え、繰り返し出版されるのと同じである。

本当に成功した人が自伝を書くこともある。でも著者本人は、自分がなぜ成功したのかわからない場合が多い。

だから自伝は「感謝しよう」「人に与えよう」「いまを生きよう」「大きな目標を持とう」等の差し障りのない成功法則で溢れることになる。

これじゃ、小学生のときに唱えた標語となんら変わりないじゃないか?

たしかに、やるべきことをいくつも並べ立て、やり遂げることができれば、成功できるよ。でも、それができないから、困っているのである。

神田昌典

「受け取る前にまず与えよ!与えた者が成功する!」

「感謝できる人は豊かになる!成功できる!」

世の中にはそんな成功法則が流布している。

法則というのは、誰がしても同じ結果になることである。ということは、成功法則の通りに行動していれば誰もが成功できるはずだ。

が、現実はそうではない。

願望を紙に書く。前向きに行動する。ポジティブな言葉を使う。感謝する。「法則通り」に行動しても、良い結果が出る人と出ない人がいる。

ということは、成功法則は法則ではなく、ただの経験則、つまりはケースバイケースのものと考えた方が現実的だと思う。

ところで、ある成功した有名セラピストがYouTubeの動画で成功について次のように言っていた。

「なぜかチャンスがやってきた。なぜかやることが上手くいった。それで成功した。成功している人はみんなそう。理由なんて分からない」

この動画を見たときは「ピン!」と来るものがあったが、もしかしたら成功には何の理由もないのかもしれない。ただ運が良くて成功したのかもしれない。

誰もが行動して、頑張って成功できれば、世の中もっと成功者が増えているはずである。

「行動しないから成功しないんだ!」なんてのは成功法則を語る人の言い訳で、実際には行動しても上手くいかない人も一定数いるはずである。

では結局、どうすれば成功できるのか?

それが分かれば苦労しないが、でも一つだけ確かなことがある。それは、今自分ができることをやっていくしかない、ということだ。

そうすれば、運が巡ってきたときに、成功できるかもしれない。

出典

『新装版 非常識な成功法則』(フォレスト出版、2011年)