人生の「マイナス」を「プラス」にする考え方

手の中に花

諸君、マイナスにぶつかったら悲観するな。それより「これは何かに使えないか」「これは何かに役立たないか」とすぐ考えるようにしたまえ。

遠藤周作

持って生まれた変えられない性格。失敗や挫折。失業や病気などの不運。

人生で経験する「損」「不幸」な出来事は必ずしもマイナスではなく実はそれらはプラスに転化できるという遠藤周作さんの考え方はとても好きだ。

マイナスをマイナスとして捉えている限り、それらは損や不幸でしかない。だが大切なのは「頭の働かしかた」であり「心の持ちよう」。「人生万事塞翁が馬」という言葉どおり、マイナスはプラスに変わるのだから。

はじめに

人生で経験するすべての物事にはプラスとマイナス、二面性がある。それは、「何かを得れば何かを失う」という言葉のとおりである。

私たちは日々年を重ね、若さを失う一方で、知識や経験を得る。誰かと出会い身を固めれば、社会的な信頼や精神的な拠り所が得られる一方、自分の時間をはじめ「己の判断だけで出処進退を決める」という選択権を失う。

プラスにはマイナスがありマイナスにはプラスがある。この考え方を意識することは特に、人生に困難が降り掛かったときこそ重要である。マイナスはプラスに変わるきっかけ。だからこそ、「マイナスにぶつかったら悲観するな」である。

「意味」は自分自身で見出す

人生大切なのは、「起こったこと」の意味づけである。

挫折や苦しみ、障害といったマイナスをマイナスだけで捉えるのではなく、「それはきっと良いことに変わる」という可能性を、自覚的に見出していくことである。

実際のところマイナスの出来事が人生に降り掛かったとき、それをすぐに肯定的に受け止めることはとても難しいことは確かだ。それでもなお、「それはきっと良いことに変わる」「これは何かに使えないか」と考えることはできる。

それは時間差を経てプラスに変わっていく。だからこそマイナスの出来事が訪れたとき、それはただの「マイナスだけではない」ということを自覚的に意識することが大切である。

考え方を自覚的に「選択」する

物事をマイナスに捉えれば物事はいくらでもマイナスになる。しかし、長い夜が続く日々の中、ほんのかすかな光を見つけ、輝かしい夜明けが来ることを信じることはできる。

そう、私たちは考え方次第で、人生に光を見出すことができるし、闇のなかに居続けることもできる。だからこそ「選択」なのである。

どんなことが起こっても、そこに意味を見出す。その経験が自分に必要な経験だと考える。それが表面上マイナスの出来事に見えようと、自分のためになる考えを選ぶ。

心の自由こそ、思考の自由こそ、本当の意味で私たちが与えられている力である。

最後に

年々、「人生万事塞翁が馬」という言葉の重みを実感している。

人生を一定の周期で俯瞰してみれば、「あのときは大変なことが起こった。でもそれが起こったからこそ」という展開が見えてくる。そして、マイナスの出来事が何年か後にプラスに変わっていくという事象に気づけば、人生に無駄はないと納得する。

たしかに、マイナスの出来事が起こったときは大変だし、心の葛藤も起こる。だが悲観しなくてもいい。人生に無駄はない。それはやがて、良いことに変わる可能性があるのだから。

出典

『周作塾』