成功した人々は一様に、いまの自分があるのは努力と知力のたまものだと思いこんでいる。
実際には、中産階級に生まれて、愛情に包まれ、本を読んでもらったり、リトルリーグに入れてもらったり、図書館へ連れて行ってもらったり、音楽を習わせてもらったりしたおかげなのである。
彼らは受精した瞬間から、成功するようにプログラムされていたのだ。
ニコラス・クリストフ
目標を決めて、一歩一歩努力によって前進。困難を克服して最後には成功をつかむ。
サクセスストーリーはいつの時代も人の心をつかむし、「自分にだって出来る!」という勇気をもらえる。
しかし実際のところ、意思や努力によって成功を勝ち取ることは難しい。なぜなら、成功には運が絡むからである。
才能や努力は成功を約束しない
世の中は複雑で、才能があるからといって成功できるわけでないし、努力したからといって成功できるわけでもない。
現実問題、努力してもうまくいかない人はゴマンといる。人生で最善を尽くしているにも関わらず、パッとしない人生を歩む人がたくさんいる。
逆に、特に成功すべき理由がないように思える人が、なぜかとてつもない幸運に恵まれて、あれよあれよと成功の階段を登っていく人もいる。
苦労に苦労を重ねても、何一つ恵まれることのない人生を送っている人がいる一方、大した苦労をしていないのに欲しいものを楽々と手に入れる人がいる。
そんなことが起こるのが世の中の現実だ。この意味で、最後にモノを言うのは努力や才能なんかよりも、ずっと運の方が重要である。
運は人生最強のパラメータ
運がいい人は運がいい人生を歩むようになっている。
家庭環境や人間関係、普段の暮らしの中で、人生が最大限うまくいく方向へと、自然に導かれているかのうようである。
だから極論を言うと、努力しても運がなければどうしようもないし、運があれば努力なんかしなくても人生はうまくいく。人生がそうなるようになっているからだ。
では一体どうすればいいのか?大切なのは運に気づくこと。「人生は自分の意思や努力以上に運がからむ」ということに気がつくことが、全ての始まりである。
それに気がつけば、もう「努力するから成功できる!」なんて力む必要なんてない。物事はなるようになる。運が流れている。
運に気がついて、流れに身を任せる。それはがむしゃらに努力を重ねるよりも、もっと楽に、そして自然に、「人生のあるべき方向」へと自分を導いてくれる。
最後に
人生努力は大切である。才能も「ない」より「ある」方が絶対いい。しかしそれ以上に大切なのが「運」である。
逆に言えば、生まれつきの才能に恵まれていなかったとしても、努力をし、運に恵まれれば、才能など持っていなくても、今のこの人生で、自分が思った以上の何かを成し遂げることができる。
恵まれない環境を与えられても、才能の片々すら与えられなくても大丈夫。
大切なのは努力+運。自分の「意志」を持ちやるべきことを粘り強く継続していく。その上で、運に関心を持ち、運に恵まれる方法を実践していく。
人生における自己責任はまさにそこにあるのだから。
出典
『成功する人は偶然を味方にする』