何かを得れば何かを失う。何かを失えば何かを得る。これがこの世の厳然とした理である。
だからあなたが今日何かを失ったとしても。今この瞬間、あなたが今まで築き上げてきた大切なものが失われていこうとしても。
必ずそれは、補償の法則によって埋め合わせされるだろう。
はじめに
私たちは今、時代の大きな波の中で翻弄され、今まで当たり前と考えてきた日々が失われていくことを目の当たりにしている。
もしかしたらあなたは今、築き上げてきた生活を失い、心の平和を脅かされるような日々を過ごしているかもしれない。不安で眠れない日々を過ごしているかもしれない。
今すぐあなたの気持ちを晴れやかにする特効薬はないが、一つだけ忘れてはいけないことがある。それは、「今起こっていることはすべて過程」ということである。
これこそが補償の法則
人生は良くなる前に悪くなる。奇跡の前には不吉なことが起こる。
だから「より良いもの」を手に入れる過程として、「今まで持っていたもの」が失われていくのである。
大切なのは絶望しないことである。今目の前にある現実は、一時的なものである。想像してほしい。その「最悪」と思える現実の後ろに、実は「最高」のハッピーエンドが待っていることを。
一時経過に心を惑わされるな
変化の過程で、私たちは傷を負うことを避けることはできない。残念ながら、一時的な失望や困難、苦難を避けることはできないだろう。
だが、それが一時的なことである。失う過程を得ることによって、必ず新たに補償される段階がやって来る。
だからあなたが今、失望のさなかにいるなら、これだけは覚えておく価値がある。「いつかそれは補償される」
逆風を耐える意味を学ぶ
大切なのは、「もうだめだ」とか、自分で勝手に人生をあきらめてしまわないことである。
だから心が折れそうになったときは今は一時的な変化の過程であることを、繰り返し自分に言い聞かせることである。
闇は晴れて光が差す。どんな最悪な時期もいつかは必ず過ぎ去る。「明けない夜はない」とは言い尽くされた表現だが、それは真実である。
あなたは今学んでいる。「時を待つ」という言葉の意味を。
最後に
人生にはマイナスが起こったときは必ず、それ相応のプラスが与えられる。この真理を忘れずにいる限り、目の前の表面的な出来事に惑わされることはない。
とはいえ、大切なのものや、自分たちが築き上げてきたものが無残にも失われていくことを目の当たりにしなければいけないことは、本当に辛いことである。
だがそれはきっといいことに変わる。いつかは分からない。でもそれは必ず、きっといいことに変わる。何かを失えば必ず、何かを得るのだから。