自分に自信が持てない強みと弱み

物憂げな女性

私たちは常日頃、自分に自信を持つこと。自己重要感を満たすことの大切さを耳にする。そして、「自信がない人はダメ」といった、ネガティブなイメージを持ってしまう。

しかし本当に、自分に自信が持てないことは悪いことなのか?この記事では人生「ほっ」と生きていくための新しい見方を提示したい。

結論から言うと、あなたは自分に自信が持てなくとも何の問題もない。あなたはあなたで大丈夫、という話である。

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はじめに

自分に自信を持つ。

それによって私たちは、「自分はやればできるんだ」といった、前向きな世の中に対して。自分の人生に対して。ポジティブなイメージを持つことができる。

これは確かに良い面があって、新しいことに挑戦したり、努力をしたり、前向きな行動を起こすための力となる。「自分はできる!」と信じるからこそ行動することができる。

それは確かに、否定できない事実である。

自分に自信がある弱み

しかし一方で、自分に自信を持つことによって、ついつい自己像が「誇大化」する傾向がある。

すなわち、「自分はこれだけ頑張れる。だから他の人もこれくらいはできるはず」といったように、自分基準を人に押し付けやすい。

だから、いわゆるブラック企業経営者のなかには、本当に人間的にブラックな人がいる一方、人としては非常にポジティブ。魅力的な人が少なくない。

なぜなら彼らは自分に自信を持ち、努力し、今の成功をつかんできた。

だから、自分と同じように頑張れば他の人も幸せになれるし、成功できる。そう信じているからこそ、人に「もっと」を要求するのである。

気づかないうちに敵を作るデメリット

それともう1つのデメリットが、人から反感を買いやすくなるというマイナスである。

自分に自信がある人は自然と態度が堂々となり、それが場合によっては「なまいき」「調子に乗っている」「偉そう」など、人から反感を買う。

それによって足を引っ張られ、人間関係の余計なトラブルに巻き込まれ、誹謗中傷。人生の質を損なうトラブルを引き寄せるリスクがある。

だから古来より日本にはこのような言葉がある。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

つまり自分に自信があることはある意味、さらなる人間的修養を要求されるのである。

それは「俺は偉いぞ!」「すごいんだぞ!」という自己肥大化した態度を持つ人がどんな末路をたどるか?現実を調べれば明らかな話である。

自分を過小評価する強み

このように、自分に自信があることは、すべてがすべて、良いことだけでは決してない。同じように、自分に自信が持てないことも、悪い面が一方、良い面が必ずある。

例えば謙虚さ。自分に自信がない人は、「自分はダメだ。何をしてもうまくいかない」と、自分自身を必要以上に過小評価してしまう傾向がある。

だから、無茶な行動はしないし、非現実的、非常識な暴挙に出ることもない。

「自分はダメだ」と信じているからこそ、安全第一。石橋を叩いて渡るので、人生で大失敗して、大きな痛手を被る危険性が低い。

弱みより強みに気づく

自分に自信があれば、ちょっとしたことでも「なんとかなるさ」と勇み足。

それでうまくいけばいいのだが、ときに、ほんの小さな過ちから人生が文字通り詰んでしまうような、大失敗につながる可能性がある。

しかし自分に自信がない人は、やることなすこと慎重である。そしていつも、悲観的である。

だから、何かをするときは何もかもが安全第一。人より大きな成功をつかむことはないかもしれないが、人より大きな失敗を経験せずにすむ。

これは、自分に自信がない人だけが持つ、大きな強みの一つである。

大切なのは考え方

人生、失敗しないことが良いこととは必ずしも言えない。

が、不必要な失敗は避けるべきである。とくに、くだらない失敗をした結果、足を引っ張られてしまう。そんな愚行は絶対に避けたい。

だからこそ、自分に自信を持つことは大切かもしれないが、別に自分に自信などなくてもいい。「自分はダメだ・・・」とネガティブに自分を悲観しても、それはそれで構わないのである。

なぜなら自分に自信がないことは、場合によっては大きな強みになる。だから、無理やり「自分はすごいぞ!」など、自分に自信を持つ必要などない。

自分を認めることができないなら、認められない自分を活かす方法を見つければいい。なにも、自己啓発を始めて、自分をポジティブに洗脳する必要など、ないのである。

「謙虚な人」という最強のイメージ

そして忘れてはいけない自分に自信がないことで一番得られる最大級のメリット。それが、人から好印象を得やすいことである。

自分に自信がなくても、自分がすべきことをきちんとコツコツやっているならば。

自分を卑下せずに周囲に対して誠実に生きているなら。「あの人は控えめで謙虚な人である」と、自然と周囲の好感を引き出すことができる。

特に日本人は、オレオレオレの自己顕示欲が強いタイプよりも、「私なんて」というような謙虚さを感じられる人の方に好感を持ちやすい。

だから人生、不必要な自己顕示欲を顕にしてしまうことは現実的な話、自分の首を自分で締める「地雷行為」である。

自分の能力や存在感を提示する必要があるときはそうすればいいが、普段から人の目を引く目立つ行為は、一部の人を除いて、メリットよりもデメリットの方が多い。

「私は自分に自信があります」という態度を見せるより、「私なんてまだまだです」といった自信のない態度を見せることは、マイナスだけでなく、プラスがあるのだ。

最後に

「自分に自信が持てない。今のままの自分はダメだ・・・」

そんなときはそれでいい。大切なのは、自分に自信が持てない自分を否定しないことである。

自分がダメならダメでそれでいい。そこには必ず、プラスの側面がある。だからマイナスを気にするのではなく、自分に自信が持てないプラスを探す。

そうすれば、自分に自信が持てないことが逆に、自分を活かす武器になることに気づく。すると自分に自信があることが逆に、人生において大きなメリットにならないことに気がつく。

つまり自分に自信があるならそれでいい。自分に自信がないならないなりに、今の自分を認めること。自信が持てないあなたでもOK。その上で、その自分を認め、信じることが大切なのだ。