有言実行は素晴らしい。
しかし、「それを叶える」という最も重要な目標を本当に大切にするならば、夢や目標、理想の人生、やりたいことや本当に大切なことは、そう簡単に他人に話さないほうがいい。
なぜなら、世の中にはさまざまなノイズが存在するからだ。それらは「常識」や「意見」といった形を装い、あなたの意識に静かに干渉してくる。
その結果、「そうですよね、普通に考えれば難しいですよね」と、本来なら実現していたはずの未来が、そうしたノイズによって閉ざされてしまうことがある。
だからこそ、重要なのは無言実行。自分のやりたいことは、言葉よりも行動で示すのだ。
はじめに
こちらが求めていなくても、
「私はこうしたので、あなたもそうすべきです」
「それはうまくいきませんから、やめたほうがいいですよ」
といったアドバイスをしてくる人々がいる。
おそらく、それは彼らにとって、そして彼らの人生や価値観の中では、正解なのだろう。
だからこそ、そうした言葉は、文字通り親切心から発せられているのかもしれない。
だが、ここで忘れてはならないのは、「それはあくまでその人にとっての正解だ」ということである。
彼らにとっての正解が、あなたにとっての正解とは限らない。そしてその“善意”が、あなたがあなたらしく生きることを妨げる原因になってしまうこともある。
だからこそ大切なのは、自分と他人をはっきりと区別すること。その第一歩として使えるシンプルな言葉がある。
「あなたはそうなんですね」
経験は人それぞれ。だから自分軸を持つ
自分自身の経験を、世界の普遍的な事実であるかのように考えてしまうのは、私たちが陥りがちな罠である。
「〜したほうがいい」
「〜すべきではない」
こうした助言を受けるとき、そこには、発している本人の経験や人生観が色濃く反映されている。それがあなたにも当てはまることは、もちろんあるだろう。しかし、多くの場合、当てはまらない。
常識はあくまで常識であり、誰かの人生を、他の誰かが同じように歩むことはできない。
だからこそ、「人は人、自分は自分」と明確に割り切ることは、あなた自身にとって最善の人生を歩むための、極めて重要なマインドセットである。
人から何かを言われたときには、
「あなたはそうなんですね」
そして、必要であれば
「それは私の考えではありません」
と、はっきりと一線を引くことが大切だ。
人の言葉を無防備に受け入れてしまえば、それは無意識のうちにあなたに影響を与える。もしそれがあなたにとって望ましいものであれば問題はない。だがそうでないのなら、自分軸を守るため、きちんと区別する必要がある。
「あなたには無理」の正体
「あなたには無理です」
「それはダメですね」
こうした言葉の本当の正解は、こうである。
「(私には)無理です」
「それは(私の場合は)ダメですね」
以前、別の記事で「悪口とは、ある種の自己紹介である」と書いた。

その仕組みはとてもシンプルだ。私たちは、自分の内側に抱えているものを、無意識のうちに外側に見つけようとする。
つまり、あなたに否定的な言葉を投げかける人は、実は自分自身を否定しているだけであって、あなたとは本質的に関係がないのである。
こうした他人の“投影”に巻き込まれないために、「あなたはそうなんですね」という言葉を、意識的に使うことが大切だ。これは、他人との間に健全な線引きをするための言葉である。
私たちは、本当に大切なことを選び、自分にとっての正しい道を歩むことができる。だが、この「線引き」をせずにいると、内面は無防備になってしまう。
その結果、何気なくかけられた一言が胸に刺さり、その痛みがじわじわと、思いのほか深い影響を及ぼしてしまうのである。
最後に
私たちは、誰かから影響を受ける存在である。
それが良い影響であれば、問題はない。だが現実には、誰かの言葉によって心を乱され、悩む人も少なくない。
それはなぜか。他人の言葉が自分に影響を与えることを、自分自身が「許している」からである。
けれど、その言葉は本当にあなたを指しているのだろうか?実のところ、それはその言葉を発した本人自身の内面を表しているにすぎない。
この原則を理解し、「あなたはそうなんですね」と自他を明確に区別する。この心の習慣を持つことで、私たちは自分の本当の声に気づきやすくなる。
誰かが発する言葉には、必ずその人自身の物語が含まれている。そして、人が見ている世界は一人ひとり違う。
絶望のなかに希望を見出す人もいれば、希望のなかにあえて絶望を見ようとする人もいる。問題は、「あなたが何を見るか」である。
自分という名の物語に、最後まで伴走してくれる唯一の存在は、他ならぬ「あなた自身」だ。だからこそ、自分の声を無視してはいけない。
あなたが心から望むなら、誰かの意見を耳にすることもできる。だがそれは、あなた自身の意志によって選ばれるべきものであって、相手から押しつけられるものではないのだ。
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