『嫌われる勇気』より大事な、人を見抜く直感

私には分かります

社会で生きていくということはつまり、自分とは異なる考え方や価値観を持つ人たちと関わりながら生きるということだ。

その中には、気が合って一緒に過ごす時間が心から楽しい人もいれば、どんなに努力してもどうしても歩調を合わせられない人もいる。

言ってしまえば、社会で出会うすべての人と仲良くすることは不可能だ。だからこそ、人間関係で悩まないためには、ときに「嫌われる勇気」を持つことも必要になる。

結局のところ、合わない人や距離を置いたほうがいい人とは、しっかりと線を引いておくほうが、自分の心を守るうえでも安心なのだ。

では、どんな人と線を引くべきなのか。その判断として頼りになるのが、自分自身の「直感」である。それが、この記事のテーマだ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

相性はひと目で分かる?

人間関係の相性というのは、不思議なものだ。

出会ったその瞬間からすでに、「この人とはどれくらい仲良くなれそうか?」ということを、私たちは無意識のうちに感じ取っている。

たとえば、「この人とはなんとなく馬が合うな」と思える相手とは、特に気を遣ったり、意図的に距離を縮めようと努力しなくても、自然と仲良くなれることが多い。

人間関係は、互いの気持ちが同じ方向に向いていなければ深まらない。だからこそ、自然に仲良くなれる相手というのは、こちらが好感を持っているだけでなく、相手もまた「あなたと一緒にいたい」と感じていることが多いのだ。

一方で、なぜか気を遣ってしまう相手、なぜか安心感を覚えない相手というのは、理由がはっきりしなくても、結局は距離のある関係で終わることが多い。そして、実はそのほうが自分にとっても自然で、心が穏やかに保てる場合が多い。

こればかりは理屈では説明できない。まさに「相性」としか言いようがない。

このサインを無視しない!

早い話、人生において人間関係はとても大切だ。良い出会いが人生を豊かにするこのことは間違いない。

ただ、忘れてはいけないのは、人は人によって幸福にもなれば、不幸にもなるということ。つまり、誰に対しても同じように仲良くする必要はない、ということだ。

だからこそ、誰と仲良くし、誰と距離を置くのか。その判断は、頭で考えすぎず、自分の自然な感覚に任せるのがいい。

「なんとなくだけど、この人とは気が合いそうだ」

「なんとなくだけど、この人とは距離を置いたほうがいい気がする」

そんな「なんとなく」の直感こそ、人間関係を見極めるうえでとても役に立つ。むしろ、余計なトラブルや心の疲れを防ぐために欠かせないサインなのだ。

そして、この「なんとなく」という感覚は、実は気まぐれな思いつきではない。それまでの人生で経験してきた、数えきれないほどの出来事や出会いを通して培われた「無意識の知恵」だ。

その積み重ねが、「この人は安心できる」「この人は注意が必要だ」という形で、サインとして私たちにメッセージを送ってくる。言い換えれば、それは「自分を守るための感覚」であり、生きるうえで欠かせない本能の一部なのだ。

人間関係で失敗しないために

人間関係で失敗する理由のひとつは、感覚を無視して、頭で考えて関係を築こうとすることにある。

たとえば、「この人とはなんとなく気が合わないけど、仲良くしておくと得かもしれない」といったように、心の声を押し殺して理屈で人付き合いをしようとする。

そうした関係は、短期的にはうまくいくように見えるかもしれない。しかし長い目で見れば、得をするよりも、むしろ心がすり減る「損」をする可能性のほうが高い。

実際のところ、そのサインは最初の出会いの段階からすでに現れている。

なんとなく気が進まない。ピリピリした空気を感じる。心が反発している。一緒にいて落ち着かない。どこか安心できない。明確な理由はわからないけれど、「ヤバい」と感じる。

これらはすべて、あなたの内側から発せられる「警告」のサインだ。人間関係で失敗したくないなら、その小さな声に耳を傾けておいて、損はない。

人との出会いは幸せを引き寄せるけれど

良い出会いに恵まれ、多くの友人を持つ。それはとても幸せなことだ。

素晴らしい人たちとの関わりは、人生を豊かにし、人と人とがつながることの尊さを教えてくれる。

ただ、世の中のすべての人が良い人とは限らない。「この人と関わった結果・・・」というように、実際に心を痛めたり、損をしたりすることもある。

だからこそ大切なのは、自分の感覚を信じることだ。人間関係ではとくに、「なんとなく」という感覚が驚くほど役に立つ。

誰と仲良くして、誰と距離を置いたほうがいいのか。その「なんとなく感じたこと」は、実はとても重要なサインである。言い換えれば、それは印象として現れる直感のかたちだ。

もちろん、あなたが感じたその人の印象が、いつも正しいとは限らない。しかし、不思議と当たることも少なくない。

だからこそ、人間関係における「幸せな出会い」は、自分の感覚を信じて行動した先にこそ、引き寄せられる関係なのかもしれない。

出会いはメッセージ。人間関係の悩みには、こんな意味があるかもしれません
人間関係の悩みを『感謝』に変える視点:『嫌な人』が現れる本当の意味|人生の気づき.com【note版】
世の中は人の集まり。  そこで生きていくならば、私たちが決して逃れられないものがある。  それが「人間関係の悩み」である。  朗報は人からもたらされ、そして悲報もまた、人からもたらされる。  あなたの悩みを詳しく分解すれば、そこには必ず人間...