今日泣いて明日笑う。人生は予測できないからこそ面白い

運がやってくる女性

人生というのは実に愉快にできているものだ。どうしようもない、夜逃げでもしようかなと考えている時に、何かしらポッとチャンスがでてくるのである。

もちろんそれはチャンスばかりとは限らない。幸福の絶頂から突然、奈落の底へ突き落とされるケースだって少なくない。

是川銀蔵(『相場師一代』より)

しばし、社会で何かを成し遂げた人々の自伝を読んでいると、ある不思議な共通点に気づく。それは、「もうだめだ…」と「ゲーム終了」のような絶望的な場面を契機に、突如として状況が好転し始めるという現象だ。

たとえば、『奇跡のリンゴ』で知られる木村秋則さんは、無農薬のリンゴを育てるという前代未聞のミッションを掲げたが、うまくいかず、「もはや、これまで…」という状況に追いやられた。

だが、絶望が頂点に達したその瞬間、道が開き始めた。このような事例は、実は一つや二つではない。

「もう、あなたはどうしようもありません。おしまいDeath」と人生から無慈悲な宣告を受けたように思えたその瞬間、その状況が変わり始める。

本当に人生はわからない。今日あなたが泣いていたとしても、明日には笑っているかもしれない。人生はきっと、そういうものなのだろう。

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はじめに

このブログでも何度か取り上げてきた言葉がある。それが「人生万事塞翁が馬」という言葉だ。「人生で起こった出来事が、どんな結果を招くかは予測できない」という、極めて含蓄深い言葉である。

ある日、「これは、悲劇だ!」としか思えない現実が目の前に立ちはだかるとき、私たちは「絶望」という言葉の意味を、これ以上ないほど痛感させられる。

絶望に囲まれているとき、浮かぶのは「これから、どんなひどいことが起こるのか」といった、マイナスのイメージばかりである。そして、それこそが、まるで事実のように感じられる。

しかし、である。どんなに「もう、私の人生は詰みました」と思えるような状況でも、実はそれが「塞翁が馬」となる可能性を秘めているのが、人生なのだ。

現実が「絶望」だとしても

たとえば、あなたが就職活動をしている学生だとしよう。

必死に頑張っているにもかかわらず、一社も内定を得られない。何度も面接を受け、自己分析を繰り返し、履歴書を何度も書き直してきた。それでも、最終的には「お祈り」のメールばかり。

そんなとき、あなたは心の中で「自分は社会に求められない存在なんだ」と思い、自己否定や絶望感に押しつぶされそうになるだろう。

努力すればするほど結果が出ないことが続くと、だんだんと「何のために頑張っているのだろう」と、疑問が湧いてくる。

やがて、どんなに努力しても就職先が見つからず、結局学校を卒業することになった。その瞬間、きっと「もう、私の人生は…」と思い、自分で自分を見捨ててしまうかもしれない。

この時点で、起こっている事実だけを見るなら、それは確かに「最悪」としか考えられないだろう。もちろん、その気持ちを持つのは当然だし、それでいい。

進む道は、見え始める

ところが、である。「無職」のまま社会に出て、働く場所が見つからない日々の中で、突如としてあなたは何らかのきっかけで「天職」を見つけることがある。

それは個人として働くことかもしれないし、「とりあえずバイトで」と軽い気持ちで始めた何かからかもしれない。

いずれにせよ、「就職先が見つからなかった」という出来事単体では、それは確かに不運に感じるかもしれない。しかし、その後の人生において、「就職先が見つからなかったからこそ」起こり得る出来事が待っている可能性がある。

仕事が見つからない挫折感や疎外感の中で、「私はどう生きるか?」という問いを突きつけられる。すると、そこで突如として、思いもよらぬ方向から道が徐々に見え始めるのだ。

その結果どうなるか?「あのとき、就職先が見つからなかったおかげで」という一つの結末に、たどりつくのである。

最後に

あなたが今どんな状況にあっても、一つだけ確かなことがある。それは、決して永遠に続くわけではないということ。

人生の転機は、予測できないタイミングで訪れる。だからこそ、どんなに暗いトンネルの中でも希望を捨てず、今見えている道を、進むことができる道を歩み続けることが大切である。そうすることで、「今日泣いて、明日笑う」日々が必ず訪れる。

人生はわからない。いつ、どこで、何が起こるのか、わからない。今、悪いことが起こっているように見えても、それが良いことに変わるとも限らない。

逆境は順境に、そして順境さえ逆境に変わる可能性がある。しかし、何が起ころうとも「人生万事塞翁が馬」を忘れずに生きていくことが大切である。なぜなら、人生は点ではなく線だから。そして、「終わり良ければ全て良し」なのだ。