コツコツやると憂鬱になる人がいるんです。
神様はね、憂鬱な人が嫌いなんですよ。だから、虫のいいことを考えてね、好きなことをコツコツやりなさいと。
しかし、自分の仕事をさぼっては駄目だ。普通の仕事は人一倍やりながら、内発的にやるものがあったならば、やりなさいよと言っているんですね。
やっぱり、虫のいいことを考えると、勉強していても、人相がよくなるんです。そうすれば人付き合いもよくなるしね。それはほとんど法則と言っていいほど当たります。
自分を高める。そんなことを言うと、いかにも努力みたいですけど、それは虫のいいことを目指してコツコツやることなんですね。
それに尽きるんですよ。そうすると天から梯子が下りてくるんです。その梯子は一回下ろせば、下ろし続けてくれるんです。
渡部昇一
自分の人生はいいことが起こると信じている人は幸せな人生を送り、自分の人生は不幸の連続だと信じる人は信じたとおりに不幸な人生を送る。
つまり自分が人生について何をどう期待しているか。端的に言って、ここに人生がうまくいく人と人生がうまくいかない人の、根本的な違いがある。
「自分を信じる」本当の意味
人生がうまくいく人は、自分の人生は何がどうあるとうまくいくと、心の奥で信じている。
途中経過がどうであろうと最後にはうまくいくと信じている。だから、何が起こっても楽観的になることができる。
一方、人生がうまくいかない人は、自分の人生を信じていない。今、人生がうまくいっていたとしても、表面的にはどうであれ、心の奥底で不安を感じている。
常に、人生が崩れ落ちるかもしれない、駄目になってしまうかもしれないと、恐れている。なぜなら、自分の人生がうまくいくことを信じることができないからだ。
だからよく言われる、「人は自分が思った通りの人生を送る」という言葉のとおりの現実を作り出す。そして、「自分が信じたことが正しかった」と、納得することになる。
ここが人生の素晴らしいところであり、同時に、恐ろしいところである。
未来は今ここから紡がれる
人生は自分の考え方次第。
長い目で見れば人は、自分が考えたとおりの人となり、人生を送る。
この意味で、日々自分は人生についてどう思っているか。その正直な思いがまさに、自分の人生の現実を引き寄せる。
もし今、「自分は人生は最高だ。何があろうと生きるに値する素晴らしい人生になる」と信じていれば実際に生きるに値する素晴らしい人生になる。
しかしもしそうでないなら?
幸いその未来は、「今」変えていくことができる。そのためには自分の考え方を変えるだけでいい。それは完全に個人の自由である。
あなたは自分の人生を、どう考えているだろうか?
出典
『一冊まるごと渡部昇一』