今、私たちの周りにある文化、技術、ありとあらゆる文明は、人間の欲から生まれました。
人間は欲があるから努力し、成長しようとするのです。もし人間に欲がなければ立って歩くことさえしなかったかもしれません。そんな欲が、どうして間違いなのでしょう。
斎藤一人
あなたはどちらかというと、欲が多いタイプだろうか?それとも、あまり欲がなく、物事にこだわりがないタイプだろうか?
「欲深い」というと、たいていはネガティブ。嫌なイメージをもたれることが多い。なので、欲が多いことを人前で公言する人はあまり多くはない。
そして「現実適応」という意味においては、それは素晴らしい選択である。
欲望があったとしても。野心があったとしても。それを人前で堂々と宣言することは、実際問題リスクが多すぎる。
だから自分の欲は隠した方がいい。そして欲を現実のものにするまでは、誰に言わず、こっそり自分の胸の中だけにしまっておく。それで十分である。
欲は必要だからそこにある
前置きが長くなったが、素晴らしい人生を送るために大切なのは、欲を否定しないことである。自分が「◯◯したい」「◯◯が欲しい」と感じることを、決して無視しないことである。
なぜなら、人は欲に突き動かされて行動するのがその自然な姿だからである。
欲の存在をすれば、私たちは頑張ろうという気持ちになれない。だから努力をする気にもなれない。
努力しなければ人として成長できない。それはすなわち、成長が否定された退屈な人生が約束されたも同然の悲劇である。
しかし、今よりもっと良い自分になりたい。もっといい暮らしがしたい。もっといいものが欲しい。
そんな欲を持つことは、自分に叱咤激励し、努力するための大きな原動力になる。だからこそ欲を持つことを否定してはいけない。それは、自分の成長を否定することと同じである。
大切なのはこういうこと
結局のところ、人が抱く欲にはムダがない。
食欲。金銭欲。名誉欲。そして性欲。すべての欲望は、私たちがより良く生きるため。そして人として進化し進歩していくために必要なものである。
私たちが今より「もっと」という気持ちをなくしてしてしまえば、世の中の成長は止まる。その先に待っているのは、停滞した世界である。
もちろん、人の欲には限りがない。ときに、欲によって人はあやまりを犯す。そのあやまりは正されるべきである。だからといって、欲そのものを否定する必要はない。
そう、欲を持つことがより良い自分へつながる道であり、より良い人生を送る道。欲を自分が上へ向かうためのエネルギーにすればいいだけの話である。
だから欲望を持っていい。人生、「今よりもっと」を求めてもいい。欲は、そのためにあるのだから。
出典
『斎藤一人 大商人の教え』