何かを信じるのが人間なのだ。
アーサー
何かを信じるということは、簡単そうで実は難しい。しかし、何かを信じずにはいられない。それが人間というもの。
それに強弱はあれど、「これだけは絶対に信じている!」という強い信念があれば、それが生きる道を示す道標となる。
信念とはいわば心の拠り所であり、未来への道標だ。正しいかどうか、そういう問題ではない。それはいわばカタチのある意志と言っていいかもしれない。
強い信念は、行動として、やがて現実にその姿を表す。そうして人は自らが信じる通り、信念の通りの人生を歩んでいく。
だから強い信念を持つ人は、現実がどうであれ、信念の示すままに行動し、信念の通りの現実を作り出す。
こうして信念は実体化するが、心から何かを信じることは、人を強くするし弱くもする。
信じることがあるからこそ、前へ進むことができるのだし、信じることがあるからこそ、それに囚われ、ときに道を踏み外す。
自らが「正しい」と信じるがゆえに他者の「間違い」を糾弾し正そうとする狂信者に堕ちてしまう。信念にはそんな怖さがある。
人は何かを信じずにはいられないが、だからこそ信念は自分の胸にしまっておく。ただ、自らを燃やす燃料にしておく。
それがきっと、一番良いことなのだ。
出典
『キング・アーサー』