「みんな一緒」の成長社会では、みんな一緒に情報処理力を鍛えることが君の価値を上げたけど、「それぞれ一人ひとり」の成熟社会では、みんな一緒のほうへ行ってしまうと、どんどん価値が下がってしまう。
藤原和博
みんなと同じようにして学校へ行き勉強し、就職し、結婚する。
みんなと同じことをしていれば、ステレオタイプではあるけれど、平凡でそれなりの幸せを得ることができる。かつてそんな時代があった。
ところが、そんな時代は終わって、みんなと同じようなことをしていると、どんどん貧しくなってしまう時代がやってきた。
みんなと同じことをしていると、選べる仕事は誰でもできるものばかり。すると時給が上がらず、どんどん差が広がっていく。
みんなと同じことをしている人にはとても厳しい社会だが、自分しかできないこと、他の人ができないことをできる人が、どんどん豊かになる時代がやってきた。
自分の存在がどれだけ人とは違うか。つまり「レア」な人ほど輝ける時代がやってきた。この意味で、生きる道は自由自在になった。
人とは違う個性。能力。才能。人とは違うということを売りに、自分の人生を探していく。
それが評価される社会になったことは、堂々と「みんな」と違う生き方をして良い社会になったということだ。
もう、みんなと一緒にしても、自分の価値を上げることはできない。それなら、迷うことなく、自分で自分の価値を上げていこう。
「みんなと一緒」である安心感は得られないが、その道はきっと、自分だけの素晴らしい人生へとつながっているはずだ。
出典
『10年後、君に仕事はあるのか?』