散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ
細川ガラシャ
もし人生で幸せになるために最も大切な教訓があるとしたら、それは引き際を間違えないことだと思う。
つまり、「そろそろこのあたりでやめておけ」というタイミングを間違えないことだと思う。
例えば、仕事でも何でもいいが、やることなすことが上手くいっている。そういうときは、この今の栄光が今後もずっとずっと続いていくような錯覚を覚える。
努力して成功する。何かを手にする。人生はこんな右肩上がりのときがあるけれど、その成長はずっと続くわけではない。
いつかどこかで、それまでの流れが変わって、「もうこれ以上はうまくいかない」という限界がやって来る。
そのときこそがまさに「引き際」で、頑張り続けることから、頑張ることをやめた方がいいときがやって来る。
ここで過去の栄光、過去の成功体験を捨てされないと、引き際をあやまってしまい、最悪、今まで築いてきたことのすべてを失う。
過去は過去。そしてこれから先の未来はいつも、過去の延長線として考えてはいけない。
だからこそ大切なのは、「そろそろ」を見誤らないこと。つまり、「これで十分だ」という見極めるタイミングが重要だ。
今何かもが順調で、自分の未来が今後も輝かしいものになることを信じることも大切だが、限界を知ることも大切である。
「引き際」については、常に意識しておきたい。
出典
『基礎教養 日本史の英雄』