運というものは、その人が持つ性格である。
百田尚樹
運のいいという人、運の悪い人、その顕著な違いは、人に助けられる人かそうでない人か、という点に着目すると、運の善し悪しがよく分かる。
運のいい人は、人生で失敗して、致命傷を追うような事態に遭遇しても、必ず助けて、守ってくれる人たちが登場する。
だから、致命傷を受けるようなトラブルが起こっても、首の皮一枚で助かることが多い。不運が最悪の事態を呼び寄せるのを防いでくれるのだ。
なぜ悪運が続くのか?
一方運の悪い人は、悪運をすべて自分の身で受け止めてしまう。
周りに「あいつを守ってやろう、助けてやろう」という人間がいないので、運の悪い人は人生の荒波に、かんたんに飲まれてしまう。
結果的に、運の悪い人には、自分を守ってくれる堤防がないに等しい。そのため、ちょっとしたことが致命傷になりやすく、さらに悪運を呼んでしまう。だから、人生でいつもつまずいてしまう。
この意味で良くも悪くも運が人からもたらされる現実は、人生において極めてシビアな影響があるという話である。
根本的に運力を変える方法
自分に運があるのか、それとも運がないか。
それを見極めた上でもし、今の自分に運がないとして運を良くしたいと願うなら、まずやるべきことは自分を変えていくことだ。
自分の今までの運のなさを自覚して、周りから「こいつは助けてやりたい、応援してやりたい」という人間になる努力をするのが、一番の道と言える。
いざというとき、自分を守ってくれる人、助けてくれる人が周りにいるかいないかの違いは大きい。それこそが、運がリアル、人生に反映されることになるだろう。
最後に
もし運を良くするために今すぐできることがあるとしたら。少なくとも、人から嫌われない、むやみに敵を作らない人間力を身につけることは、とても大切なことである。
「こいつを応援しよう」「守ってやろう」と思う人がいればいるほど。運は比例してアップしていく。
この意味で、「こいつを潰してやろう」「不幸にしてやろう」という人たちより、「こいつを応援しよう」「守ってやろう」という人たちとつながる人間になること。
これこそがまさに、根本的に運のいい人になる秘訣である。ここに、人間力を高める実利的メリットがあるのである。
出典
『日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ』