牛の歩みのように遅くてもいいから、一歩一歩と進み続ければやがて必ず千里の遠きに到達することができる。ゲーテにも、「Ohne Hast, ohne Rast(急がず、休まず)」という言葉がある。
新渡戸稲造
才能がなくても、能力がなくても、覚えておけば決して人生に絶望することがなくなる秘密。それは、「続けることが一番の武器になる」ということ。
どんな才能がある人でも、能力が高い人でも、長い歩みをコツコツ歩む人間には決して勝てない。
昔話にうさぎと亀の話があるが、これはまさしく真実だ。人生は50メートル走ではなく長距離マラソン。自分のペースで、走り続けることが大切だ。
他人に先を抜かれても、長い目で見れば意味はない
人生という長い長いレースを走り続けていればそのうち気がつく。自分のはるか先を進んでいたかのように思えたライバルも、ところどころで脱落していく、ということに。
脱落の原因はいろいろある。ムリをして自分の実力以上のペースで走ろうとしたり、先を急ぎすぎたり。
ライバルは関係ない。周りは関係ない。大切なのは、自分ができるペースで、ともかく走り続けることなのだ。それがたとえ、牛の歩みのようにゆっくりしていても、続けられればいいのだ。
他人と比べず自分の道を進んでいく
人生は長い。人よりも出遅れたスタートを切ったからといって、いつ、どこで、逆転のチャンスがやって来るかは分からない。
むしろ、若いうちは人より遅れていた方が、晩年になって美味しい思いができることだってある。
だからいつ何時でも、自分の人生が人と比べてどうだとか、そんなことを比較することそれ自体、意味がない行為である。大切なのは、自分の道を進んでいくことである。
「マイペースは最強」という話
だからこそ他人は他人で自分は自分。周囲を気にせず、無心に進み続けていると、あるとき気がつく。自分がいかに長い道のりを歩んできたか。その歩みの距離に驚く。
そして、
「思えば遠くに来たもんだ、自分はよくやったものだ」
こう思える日が来る。
だから大切なのは、いつでもどこでも。どんなときも。自分のペースを絶対に堅持すること。それが最高かつ最強の、人生の歩み方である。
最後に
自分の人生は自分の人生。人と比べず自分のペースで進んでいければそれでいい。
たとえ人より遅れているように見えたとしても。早い遅いより、もっともっと、大切なことがある。自分を信じて自分のペースで生きていく。ただ、それだけでいいのである。
出典
『逆境を越えてゆく者へ』