運を活かすとは、追いかけるのではなく手繰り寄せ、呼び込むことです。夢も恋も追いかければ逃げていくものです。
それだから、追いかけているうちが華ともいえるのですが、独り勝手な一方的なエネルギーはいつまでたっても回りません。
ときめきもため息も自分の気持ち次第です。一つの苦労を乗り越えたら、次なる苦労が待っているものです。
どんなに隣の芝生が青く見えたとしても、すべてが万全に整って充足している人などいません。
この世に存在し、生きている限りは、何かしら苦労が生じます。大きな苦労を越えたから大きな喜びが生まれるのです。
苦労がなければ、当然喜びとは無縁となります。だから、苦労は買ってでもしたいものなのです。
來夢
逆説的だが、運を良くする方法とは、端的に言って運を気にしないことである。
人生で何があろうと、それが自分にとって必要な出来事だと考える。そこに、良い・悪いの判断を持ち込まない。
ただ、起こることは起こること。自分にとって意味があることだと考える。
するとどうなるか。もはや、いちいち運が良いとか悪いとか、そういう判断にとらわれることなく、物事をあるがまま、受け止めることができる。これが大切なのだ。
運が良いとか悪いとか、自分の判断をとりあえず横において、物事を起こったまま受け止めようとする。だから、そこから必要なことが学べる。
結果的にそれによって、運が良くなる。なぜなら、必要な学びさえ得ることができるなら、同じような問題は、もう二度と人生で起こることがないからだ。
この意味で、「運を良くする方法がある!」と信じて右往左往しているうちは、運は良くならない。
「最近運が悪い。このままではダメだ」と思うときこそもう1度、足元をしっかり見つめ直してみることが大切だ。
そして、人生で起こることには絶対、無意味なことはないことを思い出そう。そこから、気づく必要があることに気づこう。
それこそが結局は、一番大切なことなのだから。
出典
『「運」の正体』