どんな人生を歩んでいる人でも、裕福でも貧乏でも、頭が良くても教育を受けていなくても、強壮な人も体に生涯がある人も、雄弁な人も内気な人も、ビジネスで成功をおさめることができる。
自分がどんな才能を持っているのかを理解し、その才能に全幅の信頼を置くこと。これが成功の秘訣だ。
アラン・タウンズ
「適材適所」という言葉がある。
「人はそれぞれ持ち味があり、それを活かせる場所がある」というのがその考え方で、これは個人においても、組織においても、肝に命じておきたい言葉である。
というのは、自分の能力を生かせる場所があるということは逆に、自分の能力を生かせない場所もあるということ。
それはすなわち、能力を生かせない地位や仕事をしている限り、人は本来の力を生かせないということを意味する。
置かれた場所で輝けない理由
「置かれた場所で全力を尽くし、そこで輝け!」
という考え方もあるが、それは社会が安定している状況においては確かに、大切な心得である。
自分に向いてない仕事でもクビにならない。勤め上げればそれなりに美味しい見返りがある。それならわざわざ、他に自分が輝ける場所を探す必要などない。
しかしあいにく、今はそんな時代ではない。
現代のように、いつ仕事を失うか分からない変化の時代においては、自分が輝けない場所に固執することはリスクが高すぎる。
置かれた場所で頑張ろうとして、自分の良さを発揮できないまま、人生をダメにしてしまう危険がある。リストラされて、置かれた場所で頑張ろうにも、それさえできないことだってあるのである。
現実的に自分を生かす場所を見つける
人はそれぞれ、能力に違いがある。苦手なことを努力して補うことはできるかもしれないが、もとから得意な人には勝つことは難しい。
能力がないところでいくら頑張ったとしても、出せる結果は知れている。せいぜい、できる人との圧倒的な差に気づかされるくらいである。
人生、自分にとって都合の良い奇跡はそう起きない。それならば最初から、自分が結果を出せること、強みを活かせることに集中したほうが、結果も出しやすいし、気分もいい。
ムリなことはムリ。人には能力の違いがあるという現実を見据え、自分がスイスイできること、やっていて苦痛ではないことを探すことだ。
苦手な場所で成功しようとはしないことだ。自分が勝てる場所を見つけ、そこを死守するのだ。その場所こそが自分がいるべき本当の場所なのだ。
最後に
自分は自分が輝くための、最高の環境を探す権利がある。
それは他人から押し付けられるものではなく、自分自身の魂が、「ここが自分の居場所である」と確信できる場所である。
人にはそれぞれ、生きていくにふさわしい場所がある。だから「この場所にはいたくない」という思いを無視することは、自分の運命に反逆するに等しい。
だからもっともっと、自分に正直に生きていい。それこそスバリ、「置かれた場所」で輝くために、本当に必要なことなのだから。
出典
『その他大勢から抜け出すただ1つの方法』