一流の人間とそうでない人間の違いは、何を努力すればいいのかがわかっているか否か、という点につきる。
やみくもに努力をするのは二流の人間だ。一流の人間は、最短で目的を達する方法を理解し、そのための努力を惜しまない。
成毛眞(『このムダな努力をやめなさい』より)
仕事で結果を出している人は、飛び抜けた技術力と高い仕事意識を持っている。傍から見ると、「この人はなんてすごいのだろう。まるで完璧な人だ」と思うかもしれない。
だが実際のところ、大きな成果を上げている人が、すべてを完璧にこなす万能な人物というわけではない。何をやっても上手くいく“常勝将軍”でもない。ときに、大きな失敗もする。
では、仕事で結果を出す人にはどのような特徴があるのか。それこそが、この記事のテーマである。
その特徴は「無駄」「不合理」を極力省く合理的な思考
いつも結果を出している人は、なんといっても要領がいい。負け戦はさっさと損切りし、ダメなことには早々に見切りをつけて、上手くいくことを見つけ出す。
何が上手くいき、何が上手くいかないのか。どうすれば結果が出て、どうすればムダな努力に終わるのか。この見極めは極めてシビアであり、そこに精神論は入り込む余地がない。あるのは、結果に対する執着心と、徹底した合理精神である。
成果を上げる人にとって、精神論は時間のムダでしかない。「頑張ってもダメなものはダメ」ということを、体得的に理解している。
口では「努力」「根性」と言う人もいるかもしれないが、それは単なるポジショントークに過ぎない。ダメなものは、気合や根性ではどうにもならないのである。
行動を結果に変える発想
だからこそ大切なのは、「ダメなものはダメ、うまくいかないものはうまくいかない」とクールに割り切る合理性である。
徹底的に現実的かつ合理的な視点を持ち、今、何をどうすれば結果が出せるのか、自分のやろうとしていることが無駄にならないかを見極めたうえで、行動を起こしている。
結果という成功を得るためには、行動を起こすことが大切である。しかし、人生は短い。結果を出すために費やせる労力と時間には限りがある。
だからこそ、する必要のない努力は控える。あきらめるべきことはサクッとあきらめる。こうした合理的な思考こそが、仕事で結果を出している人、特に独立して実力で成功をつかむ人に共通する特徴である。
結果が出る。だから人生も楽しい
きちんと成果を出せるか出せないか。それは極めて重要なことである。事実は事実として、やはり物事はうまくいかないよりも、うまくいくほうが望ましい。
「努力しました。その結果、QOL(生活の質)が上がりました」となるほうが、「努力しました。ですが現実は何も変わりませんでした」となるよりも、好ましいのは間違いない。
もちろん、私は努力の価値を否定するつもりはないし、一時的な失敗には大きな意味があると信じている。だが、最初からすべきでない努力が存在することも、理解している。
この意味において、無駄な努力によって時間と精神力を浪費することは、大きな損失であると考える。
重要なのは、自分の努力や行動を客観的に理解し、それらを最適化することである。少なくとも、その努力がどのような意味を持つのか。その点については、常に冷静かつ合理的に判断する必要がある。
それこそが、無駄な努力によって人生を台無しにしないために欠かせない、大切な視点である。
最後に
「人生即努力。努力即幸福」
この言葉は、我が国の偉大な先人、本多静六博士の名言である。
この言葉の通り、努力によって私たちは自らの人生に責任を持ち、変革をもたらすことができるというのは、まさにその通りである。
しかし、時間と行動の価値がよりシビアに問われる現代においては、無駄な努力をしている余裕はない。何に努力すれば価値があり、何が価値を持たないのか。その判断は、極めてクリアかつシビアであるべきだ。適切に見極めたいところである。
努力は、本来、報われるべきものである。であるならば、何が無駄な努力であり、何が報われる可能性の高い努力なのか。そこを冷静に見極めることが、何よりも重要である。
追記
もしあなたがこの記事を読んで、「私はそこまで要領よく立ち回ることはできない。むしろ、要領が悪いから、どうすればいいのかわからない」と感じたなら、ぜひ以下の記事をおすすめしたい。
人にはそれぞれ天性の何かがあるのかもしれない。だが、その分には良い面と悪い面がある。「要領が悪い」「努力が結果になりにくい」といった、一見マイナスに見える特性も、見方を変えればプラスに転じる可能性がある。
それを知ることが、あなたの人生を変える一歩となるかもしれない。
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