長い人生、常に上を向いて上り坂を昇り続けることなど不可能だ。望むか望まないかにかかわらず、人生には突然「下り坂」が訪れる。
何をしても裏目に出て、頑張れば頑張るほど状況は悪化する。それが、まさしく「下り坂」の現実だ。
では、この人生の「下り坂」に直面したとき、一体どうすればいいのか? 心折れずに再起するための心構えについて述べていく。
この記事を読み終えたとき、「きっと上り坂はやって来る」という気づきになれば、幸いだ。
はじめに
下り坂とは、まさに「人生におけるどうにもならない時期」を指す。
目の前の状況は悪化の一途をたどる。そこで最善を尽くし、状況を変えようと努力しても、高確率で自分の努力が無意味だと実感させられる。
いや、むしろ状況をなんとかしようともがけばもがくほど、傷は広がり、ますます深手を負う可能性が高い。
だからこそ、人生の下り坂で何よりも大切にすべきこと。それは、決して頑張ろうとしないことだ。今すぐ自分の努力で、目の前の状況を良くしようとしないことである。
下り坂は人生の必然。
先に明かしてしまえば、人生で下り坂がやって来るのは必然である。なぜなら、その下り坂を経験すること自体に、人生における「必然的」な意味があるからだ。
下り坂が訪れ、そこで必要なことを学ぶ。そのため人生は問答無用で、私たちに窮地を経験させる。
結果として、これまで築いてきたものを失う。大切にしてきた何かを失う。そして、生きることの理不尽さを味わうことになる。
それはどうにもならないことだ。どれだけ足掻こうと、運命の前に自分の無力さを実感させられるだけである。
自分が自分のためにできるただ1つのこと
しかし、一つだけできることがある。傷を最小限に抑えることは可能だ。
それは、人生が下り坂に入ったことに気づいた段階で、それをなんとかしようとする努力を放棄することだ。
どうにもならない状況をどうにかしようと頑張らないこと。そして、流れが変わるまで自分からは積極的に動かず、できる限りの現状維持を心がけることである。
仕事がうまくいかなくなり窮地に陥ったら、今すぐ結果を出そうと新しい努力を始めない。
去っていく人がいれば、無理に引き止めたりすがったりしない。ただ目の前の現実を受け入れ、心だけは折れないよう、自分で自分を励ましていく。
そして時を待ち、ただじっと、耐えるのだ。
下り坂で「頑張る」ことはむしろ逆効果
逆に一番まずいのは、下り坂を上り坂に変えようとアクセルを踏み、自分を追い込むことである。
この場合はまさに、状況が逆転するどころか、最悪の結果になる可能性が高い。やることなすこと裏目に出て、さらに自分で自分の首を絞めるだけになる。

人生下り坂のときは面白いほど、やることなすことうまくいかないものだ。まるで疫病神に取り憑かれてしまったかのように、結果は自分の意思とは逆の方向へと進んでしまうのである。
だからこそ、
努力してもうまくいかない → ますます状況が悪くなる → 自分の無力さを実感させられる → 心が折れる → 再起不能になる
という、最悪の悪循環に突入する。
痛手を抑えて「再起のとき」を待つ
しかし、自分が今下り坂にあることを冷静に受け止める。そして、この状況を自力でなんとかしようと足掻かない。
するとどうなるか。
現状維持で頑張らない → 無理をしないから心に余裕が生まれる → 「今は下り坂だから」と心が折れない → やがて状況が好転する → 再起できる
このように、時を待ち、再上昇の機会を掴むことができる。
人生において、辛いことや不運は避けられない。しかし、下り坂が終われば、必ずまた上り坂がやって来る。
そのときこそ、これまでの不運をすべて帳消しにできるチャンスだ。もし人生で本当に頑張るべきときがあるならば、まさにこの瞬間である。
上向いているときほど、必死で頑張ればいい。頑張れば頑張るほど物事がうまくいき、自分に自信が持てるし、やる気も湧いてくる。
一方、人生が下向いているときに頑張っても、やることなすことうまくいかない。それどころか裏目に出て、ますます状況は悪化してしまう。
そんなことになってしまったら、今後の人生を頑張ろうとする意欲すら失ってしまうだろう。それだけは絶対に避けたいことだ。
ダメなときはダメでいい!
人生、良いときもあれば悪いときもある。
良いときは問題ないが、厄介なのは悪いときだ。ここで自分を追い詰め、「どうせ自分はダメなんだ…」となってしまわないことが重要である。
悪いときは自分の努力ではどうにもならない。その事実を受け入れ、ただ日々を耐える。現状維持を心がけ、流れが変わるのをじっと待つことだ。
何より、今すぐ状況を打破しようと絶対に自分を追い詰めないこと。
頑張ってもどうにもならないときは、何をやってもどうにもならないのである。それなら、無理をせず、じっと時を待つ方が賢明だ。
人生、一度流れが変われば、驚くほど運勢は好転する。今までの下り坂が一体なんだったのかと驚くくらい、状況は一変するだろう。
だからこそ、動いてはいけないときは動かないこと。じっとしていることが大切である。
最後に
我々日本人は精神論を好むため、努力をすればどうにかなるとか、自己責任だとか、頑張ることを是とする傾向にある。
だが、現実問題として、頑張ってもどうにもならないことは、本当にどうにもならない。
努力しても無駄なときの努力は、単にムダというより、むしろ有害ですらある。自分のためにならないのだ。
なぜなら、頑張っている自分をますます追い詰め、取り返しがつかない事態を招く可能性すらあるからである。
だからこそ、
「最近、何をしても失敗続きだ」
「頑張れば頑張るほど、目の前の状況が悪化している」
「自分の心もますます落ち込み、折れそうだ」
そんなときは、まさに人生の下り坂。もう、頑張る必要はない。優先すべきは現状維持である。
心さえ折れなければ、その後の人生、どうとでもなる。なぜなら人生万事塞翁が馬。下り坂の先には、信じられないくらい素晴らしい未来が待っているかもしれないのだ。
だから、頑張る必要などない。今はただ、上り坂がやって来ることを信じて、じっと待つことなのだ。
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