
「生きる」ということ。それは、他者と関わっていくこと。
私たちは、誰かと関わることを通じて、人生という名の物語を紡いでいく。だが、現代社会において、SNSの通知や学校や職場、日々の人間関係に心をすり減らしている人は少なくない。
そこでこの記事では、人間関係には「2つの付き合い方がある」という原則的な情報をお伝えする。
この情報を知っておくことで、人生でどの人を大切にすれば、あなたの人生を豊かで幸せにできるかを見分けるヒントになるだろう。
人間関係には2種類ある
人間関係には2種類ある。それは、「人生における付き合い」の人と、「生活における付き合い」の人である。
これは『沈黙』などで知られる作家の遠藤周作さんがその著作で語っている人間関係論である。この指摘を日々意識することは、人間関係で不必要に苦しまないために非常に重要である。
なぜなら「この人は自分にとってどちら側の付き合いなのか?」を整理することで、相手に期待すべきことと、維持すべき適切な距離感が明確になるからである。
では具体的に、それらが一体どのようなものなのか? ここで詳しく噛み砕いていこう。
「人生における付き合い」の人
人生における付き合いとなる人は、文字通り「あなたの人生で生涯に渡って痕跡を残す人々」である。
例えば、あなたの人生の方向性を決定づける人。悩んでいたとき進むべき道を示してくれる人。人生の転機で手を差し伸べてくれる人。あるいは、あなたの根本的な価値観に大きな影響を与える人だ。
人生に影響を与えた本の著者や、恩師。形は様々だが、リアルでの面識があるかどうかに関わらず、あなたの「在り方(Being)」に影響を与え続ける存在がこれにあたる。
また、長きに渡って人生に登場し続ける両親、親友、パートナーもここに含まれる。彼らとの関係は、単なる損得勘定では割り切れない。
数で言えば、人生における付き合いとなる人は決して多くはないだろう。しかし、あなたの人生に対する影響度は絶大である。
「生活における付き合い」の人
一方、私たちの日常の大半を占めるのが「生活における付き合い」の人である。
これは非常にシンプルで現実的な関係だ。学校や職場の同僚、取引先、SNSでゆるく繋がっている人々。日々の暮らしを円滑に送る上で関わる人々を指す。
この関係の最大の特徴は、「一時的」かつ「機能的」であることだ。例えば、あなたが今の職場を辞めたとしたら、どれほどの人と付き合いが継続するだろうか? 多くの場合は退職した途端に関係が切れてしまう。
それは薄情なのではなく、そもそもが「生活(場所)」を基盤とした共通の関係だったからに過ぎない。そして、人間関係の悩みのほとんどは、この「生活における付き合い」の人との間で起こる。
それはいわば生存競争(Doingの関わり)
なぜ生活における付き合いで問題が起こるのか。それは、この関係が「Doing(何をしたか、何ができるか)」を基盤にしているからである。
生活における付き合いは、互いに利益や役割を分かち合う関係であり、時には利益を競合し合う。
【例】
職場の同期: 互いに励まし合う仲間であると同時に、出世や評価を争う競争相手でもある。
組織の上下関係: 自分の立場を脅かす有能な部下を潰そうとしたり、新人の存在に脅威を感じて攻撃したりといった歪みが生じることもある。
このように、生活における付き合いの人は、基本的には「同じ生存圏で関わる利害関係者」である。構造上、争いや軋轢が生じやすいのは避けられないことなのだ。
| 項目 | 人生における付き合い | 生活における付き合い |
|---|---|---|
| 基盤 | 存在・精神(Being) | 利害・役割(Doing) |
| 期間 | 永続的(心の痕跡) | 一時的(その場限り) |
| 特徴 | 「損得」を超えた信頼がある | 「競争」や「比較」が起こりやすい |
人生に大きな痕跡を残す人
人間関係で失望せず、ストレスを抑えて生きていくために大切なのは、「その相手とどちらの形でつながっているのか」という認識を間違えないことである。
利害や役割でつながっている「生活の人」に対し、親友のような深い信頼を求めるのは、期待が大きすぎるゆえに自らを傷つける結果になりかねない。そこでは「大人の付き合い」という節度を持つことが、自分を守る術となる。
とはいえ、悲観する必要はない。利害関係のギスギスした世界のすぐ外側に、あなたの人生を根底から支える出会いが必ず存在する。
そうした「人生の人」を見つけるコツは、損得勘定を抜きにして自分の内面(価値観や情熱)に素直になることだ。あなたが自分らしくあろうとする時、あるいは人生の転機に真剣に悩んでいる時、その出会いは最高のタイミングでやってくる。
最後に
人間関係には大きく分けて2種類ある。日常を回すための「生活における付き合い」と、魂に触れる「人生における付き合い」だ。
それぞれ意味と役割が違う。あなたがつながっている人はどちらの人なのか。その認識を間違えず、役割以上のことを求めすぎないこと。これが、人間関係の荒波を穏やかに渡っていくためのベースとなる振る舞い方である。
あなたに、人生を彩る良い出会いがあることを願っている。
良い出会いに気づき、そのご縁を大切にするために知っておきたいこと



