『人間関係の秘訣は、カーネギーに聞け』(三笠書房)という本を読んだ。
この本は、古典的名著の『人を動かす』を人間関係に特化して、分かりやすく解説している本なのだが、いつの時代も結局は、人間関係は原則は変わらないことを実感させられる。
はじめに
人は本質的に自己愛のかたまりで、人よりも自分のことに関心がある。
表面はどうであろうと、どんなときも自分は正しいと思っている。だから自分を否定されたり嫌われたりするのはイヤで、自分に反する人を嫌う。
正しいとか間違っているとか、そういう問題ではない。人は感情で動き、結局は好き嫌いで動く。原則論とか「べき論」は無意味どころか有害。
だから、人を嫌うのはダメ。批判したりやり込めたりするのはダメ。そうではなく、尊重して話を聴き、相手の自己愛を満たす。
『人間関係の秘訣は、カーネギーに聞け』ではそんなことが書いてあるが、これほどシンプルで分かりやすい、人間関係論はないと思う。
基本は同じ
国籍人種問わず、人は自分を嫌う人を嫌う。人は自分を否定する人を嫌う。本当にシンプルな話である。
確かに、もし自分が何か間違っていたとしても、そんなことは関係ないのだ。否定されること、間違っていると指摘されるのがイヤなのだ。
「私はこう思います」に賛同して欲しい。多分、そういうものなのだと思う。
一方で、「あなたは違います」という否定から入る場合。その反応として人間関係がうまくいかなくなるのは自然な話である。
人間関係の原則はシンプルに極まる
それで本書には、具体的には人間関係でどう行動していけばいいか、様々なノウハウが公開されている。
特に、
1・笑顔を見せる(P97)
2・あいづちを打つ、人の話にうなづ=人の話を聞く姿勢を持つ(P139)
この2点は、シンプルだが普遍的、とても大切なことだと思う。
考えてみれば、鬼瓦のような強面な人、いかにも「機嫌悪いです」的な顔の人には近づきたくない。人の話を聞いてくれない人には話をしたくない(時間の無駄だから)。
逆に言えば、ニコニコしていい感じがする人のところへ近づきたい。自分の話を面白そうに聞いてくれる人が近くにいて欲しい。
そう考えると、人間関係で大切なことは本当に小さなことなのかもしれない。
最後に
人間関係も多種多様、様々なので、全ての人と上手くやっていくのは無理だろう。でも、出会う人のせめて60%くらいは悪くない関係を持ちたい。
不要な敵を作らず、良好な人間関係を保ちたい。それは絶対、人生満足度、幸福感に関係してくる。ではそのためにどうすればいいのか?
となると人間関係のスキルを磨いていく他ない。身近な人と良い関係を築ける。それはきっと素晴らしいことなのだと思う。
人間関係はいろいろ難しいが、その技術を習得する価値はきっとある。そのときはカーネギーの原則が、役に立つだろう。