挫折体験が自分をピカピカに磨く。だから人生は適度につまづいた方がいい

落ち込む男

名将とはいちどは大敗北を喫した者をいう。

朝倉宗滴(戦国時代の武将)

人生できれば平穏無事、失敗や挫折の苦しみを味わうことなく、何もかも上手くいくような順風満帆の人生を歩みたい。

ところが人生において一度も挫折を経験しないことはとても危険である。というのは、挫折によって人は磨かれ、あるべき自分を見出していくからだ。

挫折体験は自分の無力さ、限界を嫌というほど教えてくれる強制イベントのようなものだ。

それは苦しく、不愉快なものかもしれないが、そこからのちのちの人生で必要な、様々な気づきを与えてくれる。

そしてその経験を生かすことで、将来より輝かしい未来へと進むことができる。つまり大切なのは、挫折から学んだことを未来に生かす、ということなのだ。

それに、挫折を経験することで、生きていくことの不合理さに対する耐性もつく。

人生は思い通りにならない。そして嫌なことがたくさんある。そんな失望を味わっておくことが、絶望に負けないための力となってくれる。

しかし、挫折を経験していないと、絶望への耐性がいつまで経っても身につかない。だから、一度の失敗が致命傷になる危険がある。

特に注意が必要なのは、順風満帆、成功に成功を重ねている人だ。受験、就職、仕事、恋愛、何もかも上手くいき、「自分の思い通りになってきた」人は逆にやばい。

ほんの一回の失敗によって、人生が狂ってしまう。特に40代に入るまでに一度も失敗や挫折を経験していない場合はなおさら注意が必要だ。

逆に言えば、40歳になるまでに失敗続きで「俺の人生は○ソだ」と絶望している人こそ、将来に期待が持てる。

自分の挫折体験から気づきを得れば、そこから必ず、それまでの人生が無意味でなかったことに気づく。そしてそこから、未来へ進んでいくヒントが見つかる。

そこまで来ていれば、人生のマイナスに対する様々な耐性もつき、ちょっとやそっとでは動じない、強い精神性が身についているはずだ。

あとは自分を信じて、今までの損を挽回していけばいい。結局人生は帳尻が合うようになっている。少しづつ、今までの損を取り返していこう。

出典

『家訓で読む戦国』(NHK出版新書、2017年)