試練を、絶好の成長の機会としてとらえることができる人、さらには、人生とは心を高めるために与えられた帰還であり、魂を磨くための修養の場であると考えられる人。
そういう人こそが、限りある人生を、豊かで実り多いものとし、周囲にも素晴らしい幸福をもたらすことができるのです。
稲盛和夫
人生とは何か。
それを一言でいうと、自分の人格を磨くための旅である。
人生で経験することはすべて、自分の成長にとって必要不可欠な糧であり、人生で経験することを通じて、私たちは人間的に成長することができる。
それは、いかに経済的に成功するか、社会的名誉を得るか、そんなことよりもはるかに大きな意味があり、人としていかに豊かになったか、成長したか。
そこに人生の本当の価値を見出すことができる。
「欲」を素直に尊重する
とはいえ、人にはそれぞれ成長段階がある。成長の段階におうじて、必要な経験は変わってくる。
だからもし今あなたがお金がどうしても欲しいなら、それを必死に求めればいい。もしあなたが社会的地位を必要としているなら、それを必死に求めればいい。
あなたの欲しいものが何であれ、今欲しいものを必死になって追い求める。その過程でしか経験できない学びがある。
つまりは、今あなたが必要としていること、手に入れたいと思うことを必死になって追い求めること。それ自体があなたの人間的成長に必要なことである。
欲しいものは手に入れる!
だから人生では必死になればいい。
欲しいものを手に入れようと欲にまみれてもいい。1つ1つ人生で必要な経験を通じて、自分のペースで人格を高めていけばいい。
最終的には何を経験しようとも、それが自分の人生で必要なこと。そう考えれば、人生何があっても、決してムダにはならないだろう。
自分の成長段階に応じて、一つ一つ、試練をクリアしていけばいいのである。
最後に
人生は自分の心を磨く旅。
それであるなら、経験すること一つ一つ。無駄にすることはできない。それは自分の人生の試練であると同時に気づきの機会である。
人は一つ一つ、心の階層を登っていくたびに、人として一皮むけ、成長することができる。ひとっ飛びで大きく成長することはできない。
すなわち、今やって来ている試練は今の自分にぴったりの試練。絶好の成長の機会と考えて、自分のペースで学んでいけばそれでいい。
ようは、少しでも前に、進んでいけばそれでいいのだ。
出典
『「成功」と「失敗」の法則』