経営における重要な要素に、捨てる技術があります。
経営者というのは、得てしていろんなことをやりたがります。経営を少しでもよくしたいために、できそうもないことにも無理に手を出す。
しかし、これは失敗する典型的なパターンでもあります。苦手なことはしない。無理はしない。その代わり、できることはしっかりやる。これが私が見てきた”成功した経営”の基本です。
大村大次郎
仕事で結果を出す。
そのために大切なのは、当たり前だが得意なことを頑張ることが一番大切だ。人には生まれつきの得手不得手がある。それはちょっとやそっとの努力では変えられないものだ。
得意なことなら、「頑張る」「努力する」という意識なしに、サクサクとやりきることができ、おまけに結果も出やすい。
結果が出せない不毛な努力
しかし、苦手なことをいくら頑張っても、それが得意な人には決して叶わない。努力の伸びしろが悪く、致命的に効率が悪い。
苦手なことを得意にしようとして頑張っても、無駄な努力に終わる可能性の方が高い。頑張ってもたかがしれている。
それなら、苦手なことは最初から放棄して、得意なことをしっかりやった方が効率的だし、結果も出やすい。
なんでもそこそこできる優等生を目指さず、しっかりやるべきこと、テキトーに放置して頑張らないこと、そのメリハリをつけていく。
こんな努力の力加減が、結果の面では致命的な差となって広がっていく。
正しい努力の考え方
結果を出すために、努力することに価値はある。しかし何でも頑張ればいいというものではない。いかに頑張らず、最小の努力で結果を出すか。それを考えるのがまともだ。
人生の時間には限りがあるし、何より、結果が出ない努力なんて虚しいしつまらない。楽しくない。
ということで、苦手なことは一切しない。やればやるほどどんどん伸びる、努力が努力と感じられない得意分野を見つけて、それだけ頑張る。これが案外、堅実な成功術なのかもしれない。
出典
『悪の経営学』