競争社会の中で育ってきた現代人は、常に自分と他人とを比べています。このとき、自分と比較する他人は、たいてい「自分より上の人」です。
「自分より下」もしくは「同等」とランクづけしている人のことは、案外目に入らないものでしょう。
「この人は自分より優れている・・・」「自分にないものを持っている・・・」と思うからこそ、その人のことが気になるし、比べたくなるものです。
そのために、常に、自分に足りないものに意識が向いてしまうのです。その結果、多くの人が「自分は生まれつき劣った人間だ」という思い込みを抱いています。
しかし、真実はまったく違います。
人はそれぞれ、独自の才能とそれを表現する能力を持って生まれてきました。それを開花させられるかどうかは、「本人が自分のことをどれだけ愛せているか」がカギになります。
なぜなら、自分を愛する気持ちが不十分な人は、「自分の才能」をまず疑ってしまうからです。
山口まみ
自分、それはとても不思議な存在だ。
自分が自分のことをどう考えているか、それによって、現実が変わっていく。自分のことが好きで、自分を大切にして、心から尊重している人は、人から大切にされて、愛される。
しかし、「自分はココがダメだ」「自分なんて大した存在じゃない」と、自分のことを認めることができず、自分を粗末に扱う人は、なぜか人から敵視され軽んじられ、粗末に扱われてしまう。
自分をどう扱うか、それは人からどう扱われるかとイコールに近い。結局は、まず自分が自分のことをどう思っているのか。そこが分かれ目になるのだ。
人生、第一に大切にすべきなのは自分との関係だ。一生を唯一友に過ごす自分という存在。その自分にはどんないいところがあるのか、そして、欠点があったとしても「それも自分」と受け入れることができるか。
そこが始まりなのだ。
自分に自信がない、人から愛されないからと言って、他人から何とかしてもらおうとしても仕方ないのだ。まずは、自分で自分を大切にし、愛を注ぐことが肝心なのだ。
そうすることによって、自分に対する見方、接し方が変わり、やがて、人への見方、接し方も変わってくる。
そして最後には、人生も変わるだろう。
出典
『あなたの「隠れネガティブ」を解消する本』